［128］理由の分からぬ嫉妬心 __ 道宮side ページ36
.
▽ 道宮side ▽
私の好きな人、澤村大地。
｢俺には何言っても、聞かなかったことにしてやるよ｣
そう言って、凄くカッコイイ笑顔で、素敵な言葉を平然と投げ掛けてくれる彼が好きだ。
｢なはは！甘やかすなよ〜も〜！｣
と、照れ隠しに思い切り笑って。
澤村の腹を取り敢えず殴った。
おかしいな。私、彼に�犲臂�挨拶�瓩砲弔い討料蠱未靴僕茲燭世韻覆里法�いつのまにか、励まされてた。
やっぱり、彼は中学の頃から変わっていない。
…そんなとこも、大好きだなぁ。
｢あっ、澤村さんっ｣
なんて、目の前に居る彼に1人、想いを膨らませているときだった。
廊下の向こう側から、澤村の名前を呼ぶ声が聞こえて。彼と同時に、私も声が聞こえた方に目を向ける。
そこには、男バレの1年生。3年の間でも噂になっているイケメン君が居て。プリントを抱えながら、こちらの方に駆け寄って来ていた。
なんて名前だっけ、確か___ 。
｢おおっ、Aっ｣
あ、そうそう。水宮 A君。
でも、近くで見ると本当に美形だな。かっこいいって言うより、普通の時は可愛いって言葉の方が合っている気がする。
｢どうした？｣
｢これ、今度のインハイ予選の日程表と、組み合わせ表のコピーなんですけど｣
そう言って彼は、澤村にプリントを1枚手渡す。
水宮君の手の中には、まだ何枚か同じプリントが握られているようだった。
｢え！？なんでAが？｣
｢あー、ちょっと武田先生に頼まれて｣
｢そっ、か。悪いな｣
｢いえいえっ、全然。
では、他の先輩にも渡して回るので。僕はこれで｣
水宮君はそう言って、この場を去ろうとしたのだけれど。
何故かその瞬間、澤村は彼の腕をパシッと掴まえた。
その光景を見て、思わず、ずきりと胸が痛む。
…何で？相手は、1年生で、しかも男の子なのに。
嫉妬する理由なんか、これっぽっちも無い筈なのに。
｢じゃあ、俺も手伝うよ｣
彼にそう言った澤村の声は、今までに聞いたこともないくらい優しくて。何故か、涙が出そうになった。
変だよ、こんなの。
まるで、失恋したみたいな気持ち。
｢…あっ、じゃあすまん、道宮。
俺ちょっとAを手伝うから｣
｢うんっ、大丈夫！
…行ってらっしゃい｣
こちらを振り返って、少し焦った様に喋る彼に。微笑んで手を振る。
その時の彼の頬が、思っていたよりも赤く染っていたから。
また、私の胸には、張り裂けそうな痛みが走った。
…一体何なの、これ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 867人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん(プロフ) - おもしろくてすぐに読み終わりました(о´∀`о)続きが気になります😃更新頑張って下さい(*´∇｀*) (2022年7月6日 12時) (
レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - 更新待ってます！！！ (2021年10月29日 14時) (レス) @page37 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
MiSo(プロフ) - 続き楽しみにしています！！更新停止中ですが、再開したら無理せずに頑張ってください！応援しています！ (2020年7月12日 0時) (レス) id: 78c105b37d (このIDを非表示/違反報告)
ミューナ(プロフ) - お気に入り登録が819になってる…！ (2020年5月4日 8時) (レス) id: d5974347c1 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 面白いです(*^^*)合宿の話とかすっごい気になります！更新頑張ってください、("⌒∇⌒") (2020年4月28日 15時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年4月27日 23時
