紅一点ちゃんの秘密~3~ (ページ9)

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「お久しぶりです、沢山言いたいことはあるんですが
まず、単刀直入にわたくし望月Aは本日をもって活動を再開させていただきます」

そう言えばもう一度割れんばかりの歓声と拍手、

大きな大きな歓声にも負けないくらい大きな声で「おかえり！」なんて言葉もかけてくれた。

あぁもう、なんでこんなにも皆んな揃って優しいんだろう？

ファンの皆んなの暖かさと、

側で私を見守ってくれて居るメンバーの皆んなの暖かさに緊張が緩んで

思わず涙が溢れそうになる。

「ありがとうございます」

震えた声でそう言い頭を下げた彼女に送られる歓声

突然の活動休止。言葉足らずの説明。不透明な復帰への可能性。

　

自ら活動休止を選択するのならば少しでも猶予を設けて

ファンに心の準備をさせるべきだったと思うし

納得のいかない部分も沢山あっただろう。

メンバーにすら殆ど話していないという事実はどう受け止められただろうか？

きっと事実上の脱退だと思っていた人は多いだろうし

そんな誠意の見えない人間に帰ってきて欲しくないとすら思っていたかもしれない

それでも、復帰を宣言した途端「おかえり」と歓迎する言葉をかけてくれた。

いつでも支えてくれるファンの皆を一度でも裏切るような形になってしまったことに対して

申し訳ない気持ちやそんな決断をしかけた自分を情けなく思う気持ち

そしてもう一度笑顔でおかえりと迎えてくれたことに対する嬉しい気持ち。

沢山の感情がごちゃ混ぜになってそれは涙として溢れた

そんなことにも沸く会場、今の私には勿体ないくらいの歓声だった。

「本当にごめんなさい」

ありがとうの次に口をついて出た言葉はそんな言葉だった。