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No,111 ページ11

決して舞台上で涙を見せることのなかった彼女が今日初めて泣いた。








サプライズで登場して、その後Aが居なかった間にリリースされた楽曲も遜色なくこなして









最初は歓喜と少しの困惑の色を見せていた会場も

 





いつの間にか彼女が居なかった年月なんて忘れたかの様に熱狂していた








そして最後の挨拶、珍しく言葉に詰まった彼女の目には一杯の涙が溜まっていて









上を向いて後ろを向いて、下唇を噛んで、









必死にその涙が溢れないように抑えながら話す彼女に送られた








''帰って来てくれてありがとう'' そんな言葉に彼女の涙腺は崩壊したようだった。









こちらこそありがとう。









そう言って両手で顔を隠してしまった彼女を見て笑うファンの子たち








だけどそのほとんどがが彼女と同様に涙を浮かべていた。








【正直、怖いんだ。またあの頃みたいになったらって】









ライブが始まる前、不安そうな顔をしていた彼女に声をかけた時








意を決するように話してくれた彼女の本音。








あの頃とは会場中に彼女のアンチが溢れていた頃のことだろう








今思い出しても怒りそして恐怖がわいてくるほどの批判







それを直接叫ぶ人も団扇に書いて見せる人も時には物を投げたり手を出す人までいた







あんな地獄のような日々に戻るのではないかそう言って瞳に影を落としていた彼女








そんな筈ない。そう答えた言葉の意味を君は今実際に舞台に立って感じているだろうけど








ここにいる全員が君が思っているよりもずっと君のことが大好きなんだよ








自己肯定感が少しだけ低い君だから自分なんてって思っていたのかもしれないけれど







メンバーだったら今まで君が人一倍努力をしていることは知っているし





君が努力してきた事はファンの皆にもちゃんと伝わっていたね








''おかえり''、''帰って来てくれてありがとう''そんな言葉で溢れ返る会場を見たら直ぐに分かる








沢山の歓声と励ましの言葉をもらい何とか挨拶を終えた彼女









不安だと言っていたこの日のライブは自他共に認めるほどの大成功を収めた。

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作者名:玲香 | 作成日時:2017年9月22日 21時

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