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視界に映り込んでくる、
たくさんの花と
春風にのって香る、
それらの独特な花の匂い。
刹那な夢を見ているかのような
不思議な感覚に包まれていた。
まだ見えない
あの男性の姿に
寂しさを覚えながら、
店外に飾られた花に一歩近づいた。
「あっ、」
店内の花に
水やりをしながら
楽しそうに語りかける、
あの男性の存在が見える。
花を褒めると、
よりきれいに咲くとは
聞いたことがあったけど、
あんな素敵な人に語りかけられたら
どんなに枯れそうな花でも
再び生命力を帯びるよね、
なんてことを考えていた。
彼の姿が
しっかり自分の瞳にうつったとき、
「あ、あの！、」
裏返りそうな声だけが先走る。
考えていたはずの台詞は
一文字も出てこなかったけれど、
「あー！この前のー！」
と、すぐに口角をあげて
水やりをしていた手を止め、
元気に手招きをしてくれる。
私は、
躊躇いがちに
また一歩踏み出した。
店内に入った途端、
花の香りに紛れた
香水の匂いがする。
「待ってたよ〜」
と、はにかんだ笑顔。
本当にずるい、
好きになる要素だらけなんだもん。
" 待ってたよ " なんて言葉、
軽率にときめいちゃうよ、
そんな浮かれている私は、
バカ正直らしくて
「あの、お名前聞いてもいいですか？」
と、空っぽの頭に
思い出したように浮かんだ問いかけを
すぐにしてしまった。
その男性は、
目を丸くしながら、
「僕の名前？、」
首とちょこんとかしげる。
きれいな顔立ちや筋肉のついた腕とは
まっすぐ結びつかないくらい可愛らしかった。
私がこくりと頷くと、
紫「僕は紫耀。
平野紫耀です
僕も名前聞いてもいいかな？」
「.....Aです。」
紫「Aちゃん？
めっちゃかわいい名前じゃん！」
「本当ですか？、」
紫「嘘つかないよ、笑
てか、なんか前と雰囲気違うね？」
「あ、この間は制服だったからですかね、」
紫「なんか緊張しちゃうな、笑」
「え、」
紫「なんちゃってね、笑
いやーほんと来てくれてありがと！」
最近やっと日本語を使えるようになったような
片言な返事だけど、
そんな私の言葉に
たっぷり水をあげるみたいに
紫耀さんが育ててくれる。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
