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紫「ちなみに朝早いけど大丈夫？」
「もちろんです！」
紫「よっしゃ！」
と、無邪気に掲げた左手に
私の右手を瞬間的に重ねた。
音をたてないハイタッチのはずが、
軽やかな音がなったと思えたのは
きっとまだ、
現実についていけなかったからだと思う。
待つのが嫌いな私にとって、
約束の日までの時間は、
もどかしかった。
ついに明日、という夜、
私は机の上に放置されたままの
線香花火に気がつく。
そういえば、
これを気になる人とやったら
結ばれるんだっけ。
その時は、そんなはずないと
小馬鹿にしていたのに
今の私は、
それを都合よく信じ込んでいた。
わすれないように、と
バッグにいれ、
晴れますように、と星空に願い、
その日は早く寝た。
いるはずのない、
ニワトリの声で目覚めた朝を
私の胸の奥の思いを
さらに押し込んだ蓋は
かたかた音を立て、
気づいてほしそうにしている。
だけど、そのとき
外から軽快なクラクションが
聞こえてきた。
紫耀さんが来た合図だった。
私は結局、
いつもつけているリングを指にはめ、
階段をかけおりた。
玄関を開けると、
私をみつけた紫耀さんが
車を降り、
助手席のドアをあけてくれた。
「お待たせしました！」
紫「ううん、じゃあ行こっか」
「お願いします！」
紫「はーい！
出発！」
静かなエンジン音で動き出した車は
素敵な物語の朝焼けのように
明るい、良い一日を予言しているようだった。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
