恋情ロマンチック

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見なきゃ良かった。
やっぱり大ちゃん嘘つきだ。
頭ポンってするの私にしかやらないって言ったのに。
優しい笑顔で、あんな可愛い子にやってたら落ち込むよ。




伊「大ちゃんって良い奴だよね、チャラいけど。」


「人の事言えないくせに。」


伊「まあね。でもほら、大ちゃんみんなに優しいじゃん。だから好きになっちゃう子いっぱいいるんだよな。」




いるよ、ここに。
勘違いして好きになっちゃった女が。




伊「背はちょーっと小さめだけど、心はめちゃくちゃ広いし。良い奴なんだよなぁ。」


「そだね、」


伊「付き合ったら絶対楽しいと思わない？」




視線をノートからいのちゃんに移すと、にこにこの顔。
何が言いたいの。




「思うよ、そりゃ。」


伊「うん。だよね。」




彼女には甘えさせてあげたいし、自分も甘えたいって。
付き合ったら絶対楽しませてあげられる自信があるってこの前言ってた。
その彼女になれたらなって何度思ったか。




伊「付き合えるといいね。」




隣から、思いもよらない言葉が。




「え、」


伊「好きでしょ、大ちゃんの事。」


「……………………気付いてた、の？」


伊「結構前から。」




クスクスと笑って楽しそう。
いのちゃんは気付いてないと思ってた。




伊「そりゃ、あんな風にされたら好きになっちゃうよね。」


「あんな風、」


伊「宅飲みした時。ぎゅーって抱きしめられちゃってさ。」


「あれは！その！」


伊「かーわいかったなぁ、あの時のA。」




思い出すだけで顔が熱くなる。
それを見て、またクククッと笑ういのちゃん。
もう、意地悪。




伊「俺ね、人の恋愛に興味ないのよ。」


「うん、」


伊「口出しするつもりはないけど、大ちゃんとAが付き合えばいいなって思ってる。」


「……………がんばる。」


伊「見守りの伊野尾ってやつー？」




それが、いのちゃんの優しさ。
雄也くんも楓も、それぞれみんな応援してくれて。
良い友達ばっかり。
休講になって良かったのかも。

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