ハニーレモン・キス -Daiki.A-

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大「やっと、」


「？」


大「やーっと俺のになった。」




抱きしめられてた体が離れて、また手をぎゅっと握ってくれる。
愛おしそうな目で優しく微笑んでくれるその顔は、今までの笑顔とは全然違う、初めて見る顔でドキッとした。




「やっと、って大袈裟。」


大「あのねぇ。俺にとってはやっとなの！」


「そうなの？」


大「だって、1年の時から片想いしてたからね。」




そんなの知らない。
だって2年になって初めて話したじゃない。
いつ？どこで？
特別目立つわけでもない、取り柄があるわけでもない私を？
人気者の大貴くんが1年の時から片想いしてくれてただなんて。




大「なーんもない日に初めて見かけたの、Aの事。
友達と楽しそうに話してて。
今考えると一緒に居たの遥香だったんだけど。
その時に見たAの笑った顔がね、めちゃくちゃ可愛くて、忘れられなくて。」




大貴くんがこれから話すのは、私を好きになってくれた時の事。
嬉しいような、恥ずかしいような。




大「その日から目で追うようになってさ。
Aのクラスが体育の時、授業中窓から良く見てて。
毎回怒られてたの、俺。」


「もう、何やってんの。」


大「クラスも名前も知らないし、共通の友達がいるわけでもないし。
ひかも知らないって言うから、どうすっかなって。
それで思い切ってまっすーに聞きに行ったんだ。」


「え？増田先生に！？」


大「体育やってるクラスの、背が小さめで目がぱっちりしてる子の名前教えて！って。」




一目惚れしたって言ったら教えてくれた、ってイヒヒって笑いながら言うの。
それが私だったんだって。




大「名前知れたはいいけど話掛けるタイミングもなくて、気付いたら1年も終わりに近づいてきちゃって。
だから高2のクラス一緒にしてって頼んだんだけど、それは無理って断られた。笑」


「当たり前でしょ！」


大「でも奇跡的に同じクラスになれたから、まじで嬉しかった！こりゃもう頑張るしかねえなって。」

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