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顔色が一段と悪くなったと思ったら腕で口を押えて近くのゴミ箱を手繰り寄せそこに吐き出した藍沢。
焦って藍沢に駆け寄り背中を擦るが一向に収まる気配がない。
吐いて出てくるものはほとんど胃液。
この様子だと朝は何も食べていないだろう。
しばらく背中を擦り続けているとだんだん落ち着いてきた藍沢。
吐き終わると藍沢の体は重心を失ったようにフラット倒れて咄嗟に藍沢の体を支えたもののそれでも俺の腕でぐったりとしている。
西条「大丈夫か?」
そう声をかけるもっ超えていないのか藍沢は荒く苦しそうな呼吸を繰り返すだけ。
まだ気分が悪いのか顔色も青白い。
そんな藍沢を見ていると絹の集団食中毒の会話を思い出した。
藍沢は昨日救命でノロウイルスの患者の処置を行っていたため感染したとみて間違いはないだろう。
そう思いとりあえずぐったりといている藍沢を空いている個室に移動させ吐き気止めの点滴を打って寝かせた。
点滴を打った時少しだけ「ん、…」と言って身じろいだ藍沢。
けど目を覚ますことはなく眉間に皺を寄せながらもなんとか眠れていた。
今日は特にオペはないため医局から資料を持ってきてできるだけの感染対策をして藍沢の様子を見ていた。
すると橘が藍沢のことを聞きつけたようで焦った様子で病室に入って来た。
橘「藍沢は?」
西条「さっきいきなり嘔吐してな…今は吐き気止め入れて何とか眠りにつけてる」
橘「そうか…」
西条「救命で他に感染者は出てないのか?」
橘「あぁ。昨日、藍沢が重度の患者を診てたんだ。他に感染の心配のない患者を診るように言ったらしくて感染のリスクを負ってたのは藍沢一人だった」
西条「じゃあ感染拡大の心配はなさそうだな」
橘「あぁ、藍沢も感染拡大を心配して自分だけ感染のリスクを負ったんだろ」
西条「藍沢らしいな」
橘「そうだな」
そんな会話をすると橘は少し藍沢の様子を見て呼び出しが掛かったらしく病室から出て行った。
まだ目は覚まさないが辛そうに顔を歪めている藍沢。
何をしてやればいいのか考えていると橘と入れ替わるように新海が入ってきてそれと同時に藍沢が目を覚ました。
新海「藍沢!」
西条「どうした?」
新海「医局にいたナースに藍沢がノロウイルスに感染したって聞いて」
西条「そうか」
新海「藍沢大丈夫か?」
そう聞く新海と共に藍沢に目をやれば酷く汗をかいていて顔色もまだ健康とは程遠い。
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明日香 - RULIさん» コメントありがとうございます!更新が中々出来ず、その上長くなってしまい申し訳ないです。ただてさえ長いのにまだ長くなりそうですが頑張って書いていきますので引き続きご愛読頂けると嬉しいです。 (2019年8月2日 7時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
RULI - リクエスト、受け取って下さり、ありがとうございます、とても面白いです!流石だなと、おもいました!頑張って下さい! (2019年8月1日 20時) (レス) id: 8fa7ebfbfe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ハートさん» コメントありがとうございます。読者の皆さんの応援が励みになっています。これからもゆっくりかもしれませんが更新頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年7月24日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
ハート - 最新頑張ってください。応援しております (2019年7月24日 13時) (レス) id: f31ae08eec (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ぱやさん» コメントありがとうございます。学生のため平日は忙しく中々更新が出来ないのですが主に土日や長期休みは頑張って更新したいと思っています。更新速度が遅いですが暖かく見守って応援して下さると嬉しいです! (2019年7月12日 22時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
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