9 NOT責任転嫁 ページ9
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「_____五十嵐さん?」
「は、はい!」
「これ、学級日誌なんだけど、先生に日直に渡してって頼まれて、」
「あ、ありがとう!」
「ふふっ、喋ってみたかったんだ〜。私、北上理恵っていうの。佑月って呼んでもいいかな?」
「!うん、理恵って呼ぶね!」
「学級日誌最初でわかんないよね。一緒に書こ!私もわかんないけど、」
そう言って理恵は、えへへと笑い、私の机に椅子を持ってきて座る。今は昼休みで特に友達もいないため、することがなくボーッとしていた。
入学して初めて話した女の子に、どきどきしながらも、仲良くなれそうだと期待を膨らませる。
たわいのない話しながらも、理恵にこんなことを聞かれた。
「佑月と折原くんってどんな関係?今日、一緒に登校してたの見て、距離ちかいなぁって思って、」
「ん、んーと幼馴染かなぁ。ちっちゃい頃から一緒にいるから、自然と距離も近くなるのかも、」
「へぇ〜、そうなんだ〜。」
昨日の夜仕込まれた私とセンラの設定を何とか伝える。他にも、センラの設定も細かく入れこまれたが、なんか上手く話せそうにないからこの話題は誰にも触れられたくない。
「折原くんイケメンだよねぇ。優しそうだしモテそう。どう?今までモテてた?」
「あはは、どうだろ。あんまり覚えてないなぁ〜。」
「でも、なんか大人びてて同い歳に感じないなぁ。まだ折原くんのこと全然知らないしわからないんだけどね、」
「....」
理恵の言葉にぎくっとして、体が反応する。センラがモテてたなんて、同じ学校通ってたわけでもないから知らない。
センラが歳上だと言うことをサラッと言い当てる理恵。妙に焦って、変な汗が止まらない。まだ理恵は確証にまでは至っていないけれど、そのうち色々な人にバレそうで怖い。
てゆうか、私がこんなに焦っているのも全てはセンラのせい。
センラが裏口入学なんかして、高校までついてくるからだよ!
私の幼馴染設定のアイツに、心の中で悪態をつく。
「次の授業体育だから、用意しよっか。」
「そうだね、ありがとう!」
私たちは、昼休みの終了を告げるチャイムとともに準備をし始めた。
これからも、センラのことでヒヤヒヤすることが多くなりそうだ。
準備をしながら、そんな事を思って、私は息をついた。
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あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時