第三十八話 ページ38
「レイなら作戦にまで口を出せる。自体制御の面から見ても完璧だ。これ以上ない適任者だろ？」
「だから疑った」
「"そうでなければいいのに"って最悪の想定だったけどね。ついでに言えばレイ、君、今回限りの即席内通者じゃないだろ」
友情をこうやって問い詰めるのは、正直な話胸が痛む。
容赦なく疑った自分にも腹が立つ。
けど、これも全て計画を成功させるには必要なことだ。
エマを守れるなら、
友人を守れるなら、僕は疑うことをやめたりしない。
「突然の密告や即席のスパイをママがここまで信用するわけがない。実際レイは、いつからママのスパイだったの？」
「･･･ずっと前から」
「スパイに限らずママの手下だったのか？！」
監視、保安、商品の向上。
レイは、そもそもママが家畜を統制する上で望む方向に内から誘導する装置だったのか。
「そう。要は羊飼いにおける牧羊犬さ」
何食わぬ顔で家畜のフリをして、
何年もずっと････
「装置もスパイもレイ一人だよね」
「あぁ」
「でも、辻褄が合わない。なら、どうしてもう一本のロープも消えたの」
「さぁな」
心の中に違和感は残るものの、とりかく今はレイとの話に決着をつけるべきだと考えた僕は、そのまま話を続けた。
「全部知っていて農園に加担してきたってわけ」
「あぁ」
「全て嘘だったの？」
僕達に手を貸すと言ってくれたのも、
勝つための策を考えてくれたのも、
全部････
「聞きたいことは山ほどある。でも、ママに何を何処まで話した、発信機は壊せるんだよね？」
「それを聞いてどうする？返答次第で俺を切るか？」
「切らないよ。レイには今まで通り僕らのそばにいてもらう」
レイを手放せば、僕らへのメリットは一つもない。
自ら危険な場所に踏み込む必要なんてない。
「何が望みだ？」
「3つ。1、今まで通りそばにいて僕らの安全を保証すること。2、レイが持っている全情報の開示。3、寝返って。今度は僕のスパイになってよ」
「馬鹿か、お前」
「有無を言わず利用して、いざ決行で切り捨てる。そっちのが確実だろ」
「そうなんだけどね、気が変わったんだ。僕もレイを信じたい。敵である前に友達だって」
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アニメしか勝たん - 頑張ってください。私はあなたの小説が大好きです。いつもワクワクとした気持ちで見ています。無理する事なく、ちゃんと休んでくださいね。 (2023年1月17日 14時) (
レス) @page14 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
ほしの - 滅茶苦茶面白かったです。続きはもう見れないのでしょうか…この先が気になります！更新、何時までも楽しみに待ってます。 (2022年1月26日 8時) (レス) id: 3e0bb8035d (このIDを非表示/違反報告)
ヤイ(プロフ) - とても面白かったです！！！更新頑張ってください！！！ (2021年2月22日 21時) (レス) id: a0cd87f974 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - とても面白かったです！更新楽しみにしてます。頑張って下さい！ (2021年2月18日 13時) (レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうらり - めちゃ続いて欲しい…この後の展開が気になる、っ (2020年12月23日 23時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
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