第二十一歩 ページ22
〜ノーマンside〜
年長者全員での手伝いを頼まれる様になってから、今日で三日。
エマは、あからさまに焦りを見せていた。
『まずいよ、疑われてるってことだよね?!』
『落ち着け、敵の立場を考えてみ』
『敵の立場?』
『どの子供にも反応はない。ならまず、年長者を疑う。当然だろ?ビビるこたァねぇ』
『油断は禁物だし、これまで以上に用心すべきだけど、大丈夫何も掴まれていない。』
『ボロを出すな。出せばママの思う壺だ』
でも、流石に三日は予想外だ。
食料庫の整理、
予備リネンの点検、
空き部屋の片付け、
今やる必要のない仕事ばかりだ。
時間は有限。
焦らせてボロを出させる作戦?
いや、それにしては妙だ。
何か・・・・
それに、手伝いをしながらAの様子も見ていたけど、特に変わった動きもない。
いつも通り、笑顔で動き回っている。
「あーー、遊びてぇぇえぇ!!!ねぇ、何で俺らだけ?!Aも遊びたいよな!!」
「うん!もう3日も外で遊べてないし、流石に飽きてきたな〜」
「だよなぁぁああ!!!何の罰ゲーム!?何か悪いことした?俺達!」
騒ぐドンに肩を組まれ、困ったように笑うA
いつも通り。
何も変わらない表情、
彼が何かを隠してるのは明白なのに、それすら疑わしくなってくる程に。
「ドン、ちょっとこっち。手貸して」
「えー」
ギルダに引っ張られて部屋を出ていくドン。
残された僕達三人とA。
話をするなら今しかない。
そう思ってAの方を見ると、
「ノーマン、僕に何か話があるのかな?」
「え?」
手を動かしながら感情の読めない表情で、でもAは僕の思考の核心をついてきた。
「ど・・・どうして?」
「この三日間。ずっと僕の様子を伺ってるみたいだったから、何かあるのかな〜って思って!」
「・・・・」
僕の後ろに居るレイは僕と目が合った瞬間小さく頷いた
ドンとギルダが居ないうちに・・・・
「Aに手伝って欲しいことがあるんだ」
「ん?なに?」
「僕達は、皆で此処から逃げ出そうとしてるんだ。だからA、その為に力を貸して欲しい」
そう言うと、顔を上げたAは目を丸くして僕達を見た。
1630人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アニメしか勝たん - 頑張ってください。私はあなたの小説が大好きです。いつもワクワクとした気持ちで見ています。無理する事なく、ちゃんと休んでくださいね。 (2023年1月17日 14時) (レス) @page14 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
ほしの - 滅茶苦茶面白かったです。続きはもう見れないのでしょうか…この先が気になります!更新、何時までも楽しみに待ってます。 (2022年1月26日 8時) (レス) id: 3e0bb8035d (このIDを非表示/違反報告)
ヤイ(プロフ) - とても面白かったです!!!更新頑張ってください!!! (2021年2月22日 21時) (レス) id: a0cd87f974 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - とても面白かったです!更新楽しみにしてます。頑張って下さい! (2021年2月18日 13時) (レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうらり - めちゃ続いて欲しい…この後の展開が気になる、っ (2020年12月23日 23時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ