- ページ32
「…ここは？」
気づけば、白い空間にいた。
私は裸足で、その空間を歩いた。
とても体が軽くて、羽根になった気分。
なんだか、心地よい暖かさ。
ここは一体どこなんだろう。
白い空間は出口も入口もない。
ただ聞こえるのは、心地よい風の音。
？『A…』
私はその声が聞こえハッとする。
後ろを振り向けば私を見て微笑んでいる見慣れた姿。
私は震えた手で指差す。
ずっと。
ずっと、檻の中で思っていた。
なんで、ここに…
「エマ…？」
エマ『A、頑張ったね』
そう言うエマはニカッと笑っていて。
私はそんな姿に眉を寄せ歯を食いしばった。
私は手を広げて笑うエマに私は足を踏み出した。
ああ、エマだ…！！
ずっとずっと、会いたかった…！
夢でもいい。夢でも会いたかったの…
私はギュッとエマに抱きついた。
エマはそんな私を抱きとめてくれる。
「エマ、エマ…！！」
私は首に手を回して抱きしめた。
エマもそんな私に背中を回して抱きしめてくれる。
やっと…エマに会えた。
エマ『ほら、行こうA』
私はそう言うエマに手を引かれついていった。
夢でもここにいる。エマがここにいるんだ。
私は微笑んでエマに大人しくついていった。
その場所は…
「レイ…ノーマン…」
レイ『よぉ、A』
ノーマン『遅かったねA』
レイとノーマンがいて。
微笑んで笑ってる。
この4人が揃った。
夢でも、揃ったんだ。
私は嬉しくて耐えてた涙が止まらない。
ああ、現実でも早く貴方達にも会いたいよ。
私は口元を抑え泣いていると、3人とも私を抱きしめてくれる。
私もそんな3人に抱きしめ返す。
ああ、この感じ。
あのハウスを思い出す。
でもきっと3人はあのハウスを脱獄してるんだ。
私たちは輪になって手を握って、
おでこを合わせて笑い合う。
この4人が揃うのはいつになるんだろう。
でもきっと探してくれる。
だから私も探すんだ。
貴方達と言う存在を。
ずっとずっと。
その日が来るまで。
「「「「次会うまで、絶対に死なないで」」」」
そういえば急に眠気が襲う。
私はその眠気に逆らわず笑ったまま目を閉じた。
その時こぼれ落ちる涙の雫。
風が吹いて私はその風に身を任せた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2784人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜々美(プロフ) - この作品良すぎて涙出てきたわありがとう作者、、、 (9月11日 23時) (
レス) @page43 id: 8f4a0109ee (このIDを非表示/違反報告)
７4 - 20ページのバイヨン卿視点のお話に出てくるレウウェス様、多分お名前間違えてるかと…。レウウィス様だったと思います…。このお話大好きです、まだ読んでる途中ですけど…めっちゃ好きです…！！ (2022年7月1日 11時) (レス) @page20 id: 104d8d46f2 (このIDを非表示/違反報告)
(^▽^)/ - とても面白かったです (2019年12月7日 14時) (レス) id: fe1c8c1f22 (このIDを非表示/違反報告)
消しかす(プロフ) - 雪さん» そう言ってもらえると嬉しいです！恋、かもしれませんね…！ (2019年4月13日 21時) (レス) id: 855de7cb2f (このIDを非表示/違反報告)
雪 - ああーー、、、この作品が好きすぎて胸がキュッって痛くなる、、、。これは、まさに、恋、、、？！ (2019年4月13日 1時) (レス) id: 63b96624ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
