【銀魂】沖田隊長、約束をしましょう【沖田総悟】

まだまだ　沖田side ページ46

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…道場での一件から、翌日。その日もいつものように仕事をこなして、就業時間を迎え、そろそろ夕飯でも食うか、と俺は食堂へと足を向けていた。まぁ、ご想像の通り、仕事をこなしていたとはいえ、大半はサボっていたのだけれど。Aの監視のもと、部屋から抜け出すことは叶わなかったが、机の前に腰を下ろしていても筆が進むことがなく、ほとんど項垂れていたのだけれど。Aは「沖田隊長！たまにはちゃんと集中してくださいませんか終わりませんよこれ！どうするんですか締め切り今日中ですからねこれら！！」とクレームを捲し立てながら頭を抱えていたが、そんなものは土方さんに回しておけば万事解決なのである。

仕事は片付くし土方さんは徹夜をすることになって苦しむことになるし、一石二鳥だ。あわよくば過労死してしまえばもっといい。最高だ。

が、それを提案してみても「そんなこと出来るはずがないでしょう！副長はご自身のお仕事もあるんですから！これ以上苦労をかけるわけにはいきません！」と一蹴されてしまった。ので、取り敢えず土方さんの部屋に今夜爆竹でも仕込んでおこうかと思う。


討ち入りまで、あと数日。時間は刻々と迫ってきている。昨日、Aを抱き締めながら。Aの言葉を受け止めて、心の中で反芻しながら、『今度こそ』と俺は誓った。けれど、やはりそう簡単に根付いてしまった感情は綺麗さっぱりなくなってくれることはなくて。跡形もなくなくなってくれたなら、苦労はしないのだけれど、まだ、「大丈夫なのか」とか、「ちゃんと護れるのか」とか、そんなことばかりがしつこく頭を駆け巡るのだ。

だが、それからも俺は目を逸らすことはしない。色んなことから目を逸らすことを、俺はもうやめにしたい。目を逸らして逃げることをやめられずにいたら、きっとまた、同じ過ちを繰り返してしまうだろう。そんなことは、もうしたくはない。


──部下に、テメェの女に、護るべき存在に学ばされちまうなんざ、俺もまだまだだねィ。


そんなことを考えては、俺は一人歩きながらに苦笑した。けれど、今はまだこんな俺だとしても、アイツとなら。柄にもなく、そう思う。


「うん、元気にしてるよ。陽太は元気？」


と。廊下をゆっくりと歩いていれば、不意にAの声が聞こえてきた。食堂付近。この角を曲がった先に食堂があって、そこからざわざわと隊士達の騒がしい声がしていて、それよりも近い距離に、その声はあった。

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