第56話 僕の決意を汲んで ページ7
ノーマンside
ノーマン｢じゃあ、みんな。元気でね。｣
フィル｢ノーマンも！｣
シェリー｢元気でね！｣
エマ｢…｣
ママ｢エマ、レイとAは？｣
エマ｢レイは医務室、Aは自分の部屋…｢見送りなんてしたくない｣って…｣
A…最期に笑った顔が見たかったな…
ノーマン｢それじゃ…｣
僕は笑って、ハウスを出ようとした。
エマ｢ノーマン!!｣
振り向くと、エマが抱き着いてきた。
ノーマン｢エマ？｣
エマ｢ママの目を引きつける。お願い、逃げて。｣
ノーマン｢!!｣
ﾋﾞﾀﾝ
僕は、エマを押し倒した。
ノーマン｢馬鹿！無鉄砲にもほどがあるぞ、エマ！｣
｢ママを引きつける｣？
自分の
おまけにあの装置。
あと一瞬、反応が遅れたら使われていた…！
僕を逃がすために!!
なんてことを…!!
ノーマン｢今、君がすべきことはこれじゃない!!｣
脱獄だ!!
エマ｢うるさい！いやだ、行かせない!!｣
ノーマン｢どうして、解ってくれないんだよ…僕はそんなこと、これっぽっちも望んでいないのに…｣
足が上手く治らなくなったらどうする？
逃げられないだろ。
僕だって、好きで出荷されるわけじゃないんだよ。
でも、皆も守りたい。これしかないんだ。
ノーマン｢ただ笑って、見送ってほしい…僕の
エマ｢イヤ。
ノーマン｢っ！｣
────────────────
ノーマン『生きたい。』
────────────────
ほらこれだ。
無茶で無謀で、甘くて幼稚で、けどまばゆいくらいに真っすぐで
一生懸命考えたんだろうな…
てんで滅茶苦茶だけど…
でもエマはわかっていない。
その気持ち、その思いだけで、どれだけ僕が幸せだったか。
だから僕は、辛くても、怖くても、笑顔でいられた。
僕は、エマに手を伸ばした。
ママ｢時間よ、ノーマン。｣
ノーマン｢うん。｣
僕は笑って、立ち上がった。
ノーマン｢じゃあ、Aとエマとレイのこと頼んだよ。｣
ドンとギルダは、頷いた。
レイ｢…｣
ノーマン｢…｣
僕は、レイに微笑んだ。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年6月11日 2時
