第71話 罠 ページ23
ギルダ｢フフッ、楽しそう。｣
ギルダは、騒いでいるみんなを見て、微笑んだ。
エマ｢みんな、疲れを忘れてる。
地上よりずっと暖かいし、追手の目を晦ます上でも、地下を歩くのは良かったのかも…｣
レイ｢いや…早く
道の先がどうなっているかわからない…逃げ場がなければ、敵に襲われた場合お終いだ…──それに、この森はおかしい。この地下も。
何なんだ…なぜ、こんな空洞が…｣
｢わぁぁっ！｣
｢お花畑だぁっ！｣
｢すごーい！｣
アリシア｢キレイ！光ってる！｣
ジェニマ｢イイにおい。｣
ナット｢ここで行き止まりか…｣
ドン｢なぁ！ここからなら登れそうだ!!試しにちょっと登ってみる！｣
エマ｢頼んだ!!｣
A｢…？きゃあぁああっ!!｣
私はふと頭上を見て、叫び声を上げた。
レイ｢どうした!?A！｣
A｢あれ…上!!｣
みんなが、私の指差す方を見る。
エマ｢うっ｣
みんなの視線の先には、干からびてぶら下がっている動物のようなものがいた。
レイ｢そういうことか…
まずいぞA、エマ。ここは…この木、この森は──｣
A｢!!｣
エマ｢アリシア！ジェニマ！逃げて!!｣
アリシア･ジェニマ｢え｣
エマが叫んだ瞬間、根っこがアリシアとジェニマを襲った。
間一髪で、エマが二人を抱えて、逃げる。
ラニオン｢なぁ…見ろよ！入口がない!!｣
ドン｢ヤバイ！囲まれてる!!いつの間にか閉じ込められた!!｣
ナット｢何なんだよ、これ…｣
レイ｢恐らく、ここはこの木の餌場。
ドン｢
レイ｢
そのための空洞、そのための一本道、そのための──｣
A｢つまり、私達全員罠にかかったってこと…｣
レイ｢みんな、かたまれ！離れるな!!｣
ドン｢どうする!?木だし、燃やすか!?｣
レイ｢いや、危険だ。密室だぞ。
木が燃え尽きる前に俺達が死ぬ!!｣
ギルダ｢それに煙が…！追手に位置がバレるかも…｣
ナット｢じゃあ、一体どうすれば…!!｣
A｢！エマ、これひょっとして！｣
私は、エマを見た。
エマ｢うん！レイ、これ｢ナントカカントカのヘビ｣だ！｣
レイ｢は!!?ってA！何呑気にカバン探ってんだ！｣
A｢えっと…あった！｣
私はカバンから、ミネルヴァさんの冒険小説を取り出した。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年6月11日 2時
