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『どうやったらノーマンから逃げ切れるんだろう』
レ「無理だろ」
『…。』
言い返したいのは山々だが、私もノーマンから逃げきれるとは思えないから何も言えない。
『テストの点数は同じなのになー』
そう言いながら芝生に転がった。
優しく吹く風や太陽の光が温かくて心地いい。
このまま眠ってしまってもおかしくないくらいだ。
不意にレイを見てみると、目が合った。
するとレイは立ち上がり、私の方へ近づいて来る。
私の真横にきたレイは、私の頰に触れた。
『(え、レイ?…な、にを……?)』
自分の鼓動が妙に速く聞こえた。
レイと目を合わせ続けることも、話しかけることもできなかった私は、ギュッという効果音がつくくらい強く目を瞑った。
レ「_____髪、食ってるぞ」
『(……………え。)』
閉じていた目を開くと、馬鹿にしたように笑うレイがいた。
レ「つねられると思ったのか?」
レイが離れた今も、私の鼓動は早いままだ。
『い、いや、ちょっと驚いただけ』
レ「めちゃくちゃビビってたな」
『きゅ、急に来られたら驚くに決まってる』
レ「そういうことにしてやるよ」
そう、こんなにドキドキしているのはレイが急に来たから。
…もしそれ以外の特別な感情があったとしても、私は見て見ぬふりをするだろう。
いや、正しくは“そうすることしか出来ない”だ。
だってここは孤児院。
その感情に気づいたとしても、いつか必ずやってくる別れが辛くなるだけなのだから。
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aya(プロフ) - 亮さん» ありがとうございます!普段かっこいいのにこういう可愛いとこ見せられるとやばいですよね!! (2019年3月11日 13時) (レス) id: 6d4173b257 (このIDを非表示/違反報告)
亮(プロフ) - 最新話読みました!からかったのに不意打ち食らってるレイ可愛すぎる(*゜д゜*) (2019年3月10日 14時) (レス) id: 484601c75e (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 亮さん» めちゃくちゃ分かります( ˙-˙ )ほんとレイってズルいですよね(笑)更新不定期ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年2月24日 20時) (レス) id: b747948d14 (このIDを非表示/違反報告)
亮(プロフ) - 意地悪なのにいざというときにあんな行動するレイが反則すぎます(((*゚д゚*)))10歳組唯一の夢主ちゃんが今後どう動いていくか楽しみです!! (2019年2月23日 5時) (レス) id: 484601c75e (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 星雲さん» こんなこと言われたら兄弟でも惚れますよね(笑)コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2019年2月4日 19時) (レス) id: b747948d14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aya | 作成日時:2018年12月30日 22時