ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

【大人の可愛い彼氏】武知海青 ページ7

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海「A、おはよ」


「おはようございます」


海「またまた、受付嬢ぶっちゃって〜」


「ぶってるんじゃなくて、受付嬢なんです」








新人の受付嬢としてもうすぐ一年
隣には、先輩と
もうすぐ後輩となるインターン生が座る


先輩になるからには、しっかりしなきゃと
心を固めていたところなのに
からかってくるのは、営業部の成績トップ
…私の彼氏。


ここで毎朝、私たちはたくさんの人を
迎える訳だけど、彼の私へのアタックと言えば
そりゃぁもう…

新人だから浮かれてると思われたくなくて
ましてや年上のバリバリの営業マン


最初は無視していたし、流していたけど
言葉も上手な訳で、いつの間にか
彼にアタックされない日を寂しく感じたことが
きっかけだった



年上だし、社会人だし、話すことも
大人の男性って感じで…
だったんだけど、ある日気付いてしまった
彼が、少年のようにヤキモチ妬きなことを。









受付嬢先輩1「黒木さん、コレ、上層部に持って行ってくれない？」


「分かりました」






お昼を少し過ぎた頃
数人の社員と一緒にエレベーターに乗り込む
混む時間帯を運良く避けられたから良かった


ほとんどの人の顔を把握しているのもあって
向こうも私の事はもちろん知っている


会社員としての関係だけど
毎日顔を合わせるものだから
友達のような関係になる人が多い









社員1「あ、Aちゃんお疲れ様」


「あ、お疲れ様です。何だかお久しぶりですね」


社員1「そうなんだよ、最近出張が多くて」


海「入れて入れて！」








閉まりそうな扉に、タイミング良く
スライディング出来た彼

ふふっと私が笑うと
彼はご自慢のキラースマイルで
笑うな〜と小さく呟くと
エレベーターの扉を閉めた








社員1「何で最近あんなに出張多いのかな」

社員2「新しいプロジェクトが大きいからだろ」

社員1「まぁでも、Aちゃんに会えて元気出たわ」

社員2「俺も。本当この会社の癒しだよ」

「そんな…、ありがとうございます。頑張ります。」








受付嬢として、仕事ぶりや
こうやって、会社の人達の支えに
なっているんだと思うと、私もとても嬉しい

会社の顔、があるように
みんなの頑張りに少しでも
支えになれる受付嬢になりたい

話していた二人がエレベーターを降りると
友達みたいに じゃまた〜 と言われ
頭を下げる









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