ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

【鈍感な彼女】神谷健太 ページ27

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健「おはようございまーす」


「ねぇ、今日30分前に集合って、私言わなかった？」


健「うそ…いやー…すみません。ふつーに忘れてました」









へへと反省の色も少なく
頭をかきながらお得意の美形イケメン顔で
軽く頭を下げてくる神谷健太

私の部下で、今頑張っている
営業部チームの最年少

今日は、営業成績がトップ組で
営業につまづいている組を
どう教育するかのミーティングがあった

ミーティングの規模は、小さいには小さいが
仕事は仕事だ
それなのに、この人は…









「しかも…お酒クサイ」


健「へへへ」


「へへへじゃない」


健「Aちゃんこわーい」








上司に向かっての
口の利き方も気になるし
大切なミーティングの
責任感の無さも、もちろん気になる

私に怒られても、いつもヘラヘラして
軽い謝罪しか見たことない









健「次は、ちゃんと来ます！」









でも、そう言って次の約束は必ず守るし
それ以上の仕事をするから
皆、彼には特別扱いだ

現に、彼は本当に特殊で
少し教えただけのことを
何でも何なくやりこなしてしまう

やりこなすだけじゃなくて
それ以上の結果を出してくる


営業成績のトップも、もちろん彼だ
私の方が年上だし、営業部で勤務して長いけど
彼が入社してから、いつも二番手で
どれだけ頑張っても
彼を追い越すことは出来なかった








健「Aちゃん、そんなに眉間にシワ寄せてたらおばさんになっちゃうよ〜」








クスクスと笑いながら
後ろから何の躊躇もなく、私の肩を揉み出す

上司の肩をこんなにも簡単に触って
許される人は、彼だけだと思う







「もー触んないで、セクハラだよ」


健「おれ訴えられます？」


「訴える」


健「またまたぁ〜」






コミュニケーション力が高い彼は
みんなの愛され人気者

彼が去った後、グイッと椅子を滑らせながら
私のデスクまで顔を出す関西人







陣「アイツAにベタ惚れやなぁ」


「はい？そんな訳ないでしょ」


陣「いやいや、神谷、滅多に女子に触れへんで！？」







いつも、ボディタッチは多めな彼
気にしたこと無かったけど…そうなの？
いやいや…






「そんなの皆にしてるに決まってるでしょ、神谷の事なんだから」


陣「もしかして…A知らんの？」


「…なんの話？」


陣「………いや？別に何もないけど(うわヤバい、余計なこと言ってもた)」








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