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いつも通りの朝
外に出ると壱馬くんが待ってくれていて
少しドキッとした
昨日のことを思い出して嬉しくなる
「壱馬くん、昨日はありがとう」
壱「…ん、」
少し照れながらも、小さく頷く彼
私よりも先をスタスタと歩いていく
でも途中までは、仲良く楽しく
歩いていたのに……
壱「は?手出せって」
「だから嫌だ、恥ずかしいってば」
壱「俺だって恥ずかしいねん!」
「じゃぁ繋がなきゃいいじゃん!」
壱「繋いでやるって俺が言ってんねんやから黙って手出せよ!」
「何でそんな上から目線なの!?」
壱「当たり前やろ、俺の方が上なんやから」
「…最低っ!」
壱「痛ってぇ…、おい待てA!」
ふとした瞬間に
手を繋いでくれたんだけど
私は恥ずかしくて、ドキドキして
手を離してしまった。
そしたら怒られる始末
何で怒るの?
それに自分が上だのどーのって言われ、
やっぱり結局黒王子は黒王子
性格悪すぎる!
私も怒ってしまって
鞄で壱馬くんを殴り付けて
彼から逃げるように
学校へ向かった
…朝から本当に最悪
やっぱり現実は、こんなもんか…
「はぁ…」
北「朝から溜め息?」
後ろからやたらと黄色い悲鳴が
聞こえると思ったら
あの、白王子、北人くんが話し掛けてくれた
私の顔を見て、その理由がすぐに
何か、悟ってくれたみたいだった
北「壱馬でしょ?」
「そうです…」
北「何したの、アイツ」
「もう本当に最低ですよ、性格悪すぎる!」
北「…Aちゃん、あのね」
壱「おい北人、近付くなって言ったやろ」
話しかけてきた北人くんに
ん?と返そうとすると、グワッと揺れる視界
後ろから、壱馬くんが息を切らしながら
私の肩を掴んで、私が居ないかのように
北人くんに話し掛けた
「え?走ってきたの?」
北「……壱馬さぁ」
壱「何?」
急に真剣なトーンになる北人くんに
少し驚いて彼を見た
俯いた北人くんが瞬きした瞳が
何だかちょっと鋭くて
さっきのふわっとした表情はもう消えていた
キレ気味の壱馬くんに
北人くんの低い声が響いて
私は、後ろから北人くんに
柔らかく包まれた
北「そんなんじゃ俺に取られるよ?」
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−1010(プロフ) - こんばんは!以前からそら。さんの作品を拝見していました!もしサイトの移行されていましたら、可能でしたら教えていただきたいです(*^^*) 急かしているつもりはありませんが、嫌な気持ちにさせてしまいましたらすみませんzro゛ (2022年4月10日 20時) (レス) id: 2a853c864b (このIDを非表示/違反報告)
ノノカ(プロフ) - こんばんは!サイトの移行はいつ頃になりそうでしょうか?とても楽しみにしております。 (2022年1月28日 2時) (レス) id: 687bf5db1b (このIDを非表示/違反報告)
ノノカ(プロフ) - おかえりなさい!更新、ずっと楽しみにしておりました。サイトで再活動、楽しみにしております。 (2021年12月29日 4時) (レス) @page48 id: 687bf5db1b (このIDを非表示/違反報告)
けんきち(プロフ) - おかえりなさい。ずっとお待ちしておりました。これからも楽しみにしております! (2021年12月25日 12時) (レス) @page48 id: cd885ae626 (このIDを非表示/違反報告)
niji(プロフ) - 楽しみに読み返しながら待ってました⭐︎ (2021年12月25日 7時) (レス) @page48 id: 40e8fd5cee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そら。 | 作成日時:2020年2月18日 7時