ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

【白王子】メンバー投票 2位 吉野北人 ページ24

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はぁ、壱馬くんにあんな顔して言われたら、
いくら嫌いな黒王子でも刺激が強すぎる…
息が止まりそうだった






「つ、付き合うのは…まだ…」


壱「じゃぁ何やったらいいん？」


「まずは、お互いを知るところから…始めましょ？」






そう答えた私
それでも、どうしても譲らない壱馬くんに
仮彼氏として提案した。

そうすると喜ぶ姿を見せてくれて
意外と…無邪気なのかな？
思い出すと、ふふっと頬が緩む
うん。壱馬くんのことをもっと知ろう


そんなことを思いながら帰路に着いて
洗濯しようとハンカチを取り出す
ふっと浮かぶ、白王子の姿
…かっこよかったなぁ

思い出してニヤニヤしていると
ピコンと携帯が鳴った








LINEー





壱馬何してるん?
A特に…何もしてないよ
壱馬暇やろ?
A暇ではない
壱馬嘘つけ
A何で?
壱馬家の前まで来てる








え…？
半信半疑になりながら窓を開けると
家の前に黒い人影
目を凝らしてよく見ると
何か袋を手に持った壱馬くんが
ぶんぶん手を振り回していた









「壱馬くんっ、どうしたの？」


壱「…ん、あげるわ」


「チョコ…？」


壱「まぁ、彼氏っぽいやろ？」


「…多分 笑」


壱「多分って何やねん 笑 じゃぁな」


「上がってく？せっかくだし二人で食べてもいいかなって…」






わざわざ持ってきてくれただけで
バイバイはさすがに悪いよね、と思って
少し気の利いたこと言えないかなって
勇気をだして言ったのに、
それは間違いだった








壱「…襲ってほしいん？」


「は…っ！？」


壱「うそ 笑」









私にチョコレートだけ手渡して
ふふっと楽しそうに笑うと
そのまま背を向けて帰っていく

チョコレートは
可愛く大切にラッピングがしてある

もしかして、さっきの襲うって
言いながら帰ったのも
私を大切にしたいって思ってくれてる…
ってことかな？

いやいや…まさかね…
と思いつつも、何気ない優しさに
胸がきゅんってなって
幸せを感じてしまった








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