ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

【紅一点】川村壱馬 ページ18

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遠くの地方に行くと、泊まりの仕事
ホテルならいつも、私は女だから個室を
与えてくれるんだけど

今回は、一室に何部屋かあるホテルに
泊まっている
そこでもやはり私は、一部屋をもらって
寝ていた夜中

ふと、目を覚ますと私の部屋に
白いバスローブを着ている人がいる
一瞬怖くなったけど
薄暗い中、目を凝らしてみると誰か分かった








「…かずまくん…？」


壱「ん…？」


「どうしたの？」


壱「……あ、ここAの部屋か」








どうやら、寝ぼけてお手洗いに立ったのか
部屋を間違えてしまったみたい
目を擦りながらフラフラしている






「かずまくん」








まだ寝惚けている彼を部屋まで送ろうと
彼に近付く
ふいに、はだけたバスローブから見える
彼の白い肌に、色気を感じてしまった






「……」


壱「ん…何…」







いつも歌う時に見てしまう首筋
骨ばった鎖骨
薄暗さで、白い肌が余計に輝いて見えて
思わず触れてしまう

それだけじゃ足りなくて
彼への秘めていた想いが溢れ
彼のバスローブの襟を掴んでいた







「…こっち」


壱「ん…いい」


「…こっち来て」


壱「やめろって…」








嫌がる彼を、無理やり引き寄せて連れていく

おぼつかない足取りの彼を
自分のベッドへ連れていくのは
とても簡単だった

嫌がっている理由は、ひとつ
私が紅一点で、メンバー同士の恋愛は
やめようって、彼自身が決めたから。







壱「…A」


「…いいから」


壱「……Aって」







規則まではいかないマイルール
でも…惹かれ合う気持ちにうそはつけない

自分のベッドに寝転ぶように
彼を一緒に引き寄せた
襟を持ったまま、私を押し倒すように
彼に跨らせる

すぐ近くに届く、白い肌、首筋
鎖骨、鍛えられた胸元…
彼の黒髪が、肌の色と比例していて
薄暗さで更に色気を引き立たせる

掴んだままの襟を引き寄せ
彼に顔を寄せて、唇を重ねた

一瞬、驚いて目を覚ました彼
…だけど、それはすぐに受け入れられた








壱「…どうなっても知らんで」


「…うん」


壱「…何言ってもやめへんからな」


「…私と同じ気持ちなら…止めないで」








サラサラとした黒髪
長めの前髪から、チラリと見える
彼の目から逸らせなくて、胸が鳴る

四つん這いで私に跨っている
彼のバスローブを脱がせば、
腕や肩の筋肉も男らしい

そのまま彼は、私に深いキスを落とした








end

※続きは、裏ありで、更新します。
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