フョードルの妹に誘拐された重力使い (ページ9)

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敦Side

敦「....はっ！」

僕は目を覚まし起き上がった。

敦「此処は....え！？」

僕の目の前に巨大なプリンが揺れているとその隣には巨大な熊がのそのそ歩いていた。しかも少し遠くの方にはケーキやビスケット、ティーカップ等が宙を浮いていた。

敦「な、何此処....」

鏡花「敦！」

敦「鏡花ちゃんにナオミさん！？」

ナオミ「敦さんも此処にいらしてたんですね。」

敦「ね、ねえ此れって...うわっ！」

僕のお腹に突然黒い刃物が刺さった。が、何故か痛みが無く、良く見たら血も流れていなかった。

芥川「矢張り痛みはないか。」

敦「芥川！って、いきなり何するんだよ！」

芥川は僕から羅生門を引き抜くと宙を浮くビスケットを手に取り何故か食べた。

芥川「人虎、其処のケーキを食ってみろ。」

敦「な、なんで急に...」

鏡花「敦食べてみて。」

敦「鏡花ちゃんまで！？...わ、わかったよ。」

僕は宙を浮くケーキを手に取り、恐る恐る一口食べた。

敦「！あ、甘い...」

ナオミ「ナオミ達も先程クッキーを食べたのですがちゃんと味がしましたわ。」

鏡花「けど、痛みが何も感じないの。まるで夢の様な...」

敦「夢...で、でも味はするよ？」

僕はもう一口ケーキを食べその甘さをしっかりと感じた。

芥川「其処が不思議な所だ。」

敦「....！そういえば太宰さんと中也さんは？二人共此処に居るの？」

鏡花「わからない。近くをナオミと探したら敦が居たから。」

芥川「僕も探したが近くには居ないようだ。」

ナオミ「...あの、向こうが騒がしくありませんか？」

ナオミさんの言葉に僕は虎の聴覚で耳を澄ませた。すると確かに何か声の様なものが聞こえてきた。

敦「行ってみよう。もしかしたら太宰さんと中也さんかも。」

芥川「共に行動する命令だ。ついて行ってやる。」

そして僕達は声の様なものが聞こえる場所へと向かった。

中也Side

中也「んっ....は？」

俺が目を覚し、最初に目に入ったのは巨大な猫のぬいぐるみだった。しかもよく見るとその猫のぬいぐるみは浮いているかの様に俺の身体に1ミリも接触してなかった。

中也「何だよこれ...」

「あ、起きた？」

中也「！？手前は...」

俺は起き上がり横を見ると、其処にはアンティークな椅子に座りティーカップを両手に持ち微笑む、俺が昨日助けた少女が居た。

中也「手前、何者だ？それに此処は....」

「私はA・ドストエフスキー。此処は私が異能力で創った私の夢の世界だよ。」