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弐拾 ページ22

中也Side

中也「....は?」

目を覚ました俺は見慣れない天井に気づき、起き上がると其処は病室ではなく英国風の豪華な部屋だった。

中也「此処は....」

?「あ、目が覚めたようですね。」

声が聞こえ、其処にはメイド服を着た黒いツインテールにルビー色の瞳を持った若い女性が立っていた。

?「初めまして。(わたくし)はA様の友人であるメアリー・クリスタルと申します。気軽にメアリーとお呼びください。」

中也「Aの友人...じゃあ、此処に連れて来たのはAなのか?」

メアリー「いいえ。貴方様を病室から此処に連れて来たのはこの私です。A様はアジトで指示を出していただけですよ。監視カメラのハッキング、貴方様の病室への最短ルート、貴方様を此処に誰にも気づかれずに連れて来れる方法、全てA様が一人で実行しました。」

中也「待て。彼奴は何歳だ?」

メアリー「A様は9歳です。そして彼女は極稀に居る鬼才なのです。その頭脳は兄であるフョードル様をも上回っています。なのでA様は貴方様の腕に固定されたそのリングもお作りになりました。」

その言葉に俺は右手首を見ると其処には白いリングが付けられていて、外そうとしても外れなかった。

メアリー「そのリングは異能力者が異能力を使おうとすると特殊な電波が流れ異能力を妨害する仕組みになっています。外すにはにそのリングと連動している端末にパスワードを入力しなければなりません。」

中也「...Aは何処に居んだよ。」

メアリー「A様は貴方様に絶対食べてもらうんだと朝食を作っていますよ。」

中也「お、おい待て。9歳が一人で作ってんのか?」

メアリー「A様は鬼才ですから料理なんてお茶の子さいさいです。フョードル様達が知らないだけです。あっ!お召し物はそちらの籠に入ってるので着替えたら呼んで下さい。私は部屋の外に居ますので。」

そう云ってメアリーと云う女性は部屋を出て行き、入院着のままでもどうかと思いとりあえず着替える事にした。※服はお任せします。

中也「結構似合ってるな....」

俺は姿鏡で確認し、部屋の扉に目を向けた。

中也「おい、着替えたぞ。」

俺が扉に向かって声を掛けるとメアリーが入って来てはその手には朝食らしき料理が乗ってる銀色のトレイを持っていた。

メアリー「あ、サイズピッタリのようですね。朝食をお持ちしましたので冷めない内に食べて下さいね。」

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作者名:迷ヰ猫 | 作成日時:2019年7月16日 1時

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