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拾弐 ページ14

中也「俺はその異能力者の名前を聞いた。たぶんあの名探偵の頭脳ならその異能力者の場所がわかる筈だ。そしてその異能力者を見つけたら太宰の異能力で無効化してくれ。そうすれば俺も此処から出れる。」

芥川「わかりました。太宰さんに伝えます。して、その異能力者の名は?」

中也「そいつの名前は...あぁぁぁぁぁぁ!!」

敦「中也さん!!」

突然中也さんを囲んでいた針が二、三本中也さんの身体へ深く刺さり、中也さんは血を流し苦しみ出した。

「中也お兄ちゃん嘘付くの?」

巨大な猫のぬいぐるみの肩に乗った少女が現れ、その少女は不思議な事に猫のぬいぐるみの肩から降りたと思ったら宙を歩いていた。

「嘘付いたら針千本刺して裁縫鋏で切るって云ったよね?」

そう云う少女の手には裁縫鋏が握られていると僕は異能力で中也さんを助けようとしたが何故か異能力が発動しなかった。

鏡花「何で夜叉白雪が出ないの?」

芥川「先程迄使えてた筈...」

「そんなの使えなくしたに決まってるじゃん。此処は私の創った夢の世界。私がお兄ちゃん達は異能力が使えないって念じればそうなるんだよ。それより中也お兄ちゃん酷いね。約束してやるって云ったのに。」

中也「うあぁぁぁぁぁぁ!!」

中也さんにどんどん針が刺さっていき、中也さんを縛る蔓も縛る力が強まっていた。

ナオミ「止めてあげてください!」

「大丈夫だよ。肉体には影響ないから。それより、貴方達は私が目を覚す迄夢の世界に閉じ込めてあげる。誰かに伝えられたら嫌だもん。」

中也「や、やめろ...こ、コイツ等だけは、帰してやってく...あぁぁぁぁ!!」

また中也さんに針が刺さり、中也さんの呼吸が荒くなってきていた。

「だって彼の人達を帰したら私を探すんでしょ?無理矢理起こすんでしょ?嫌だ。せっかく中也お兄ちゃんに会えたのに。お話ししたかったのに。遊びたかったのに!!」

少女が中也さんの人差し指を掴み裁縫鋏で切断しようとした。その時だった。

芥川「云わぬ!太宰さん達には伝えぬ!だからやめてくれ!」

芥川がそう叫ぶと少女の手は止まり、芥川へと目を向けた。

「本当に?貴方は約束守れる?」

芥川「嗚呼。貴様が目を覚ませば中原さんは戻って来るのだろ?ならば云わぬ。」

「....私は一度寝たら10時間は眠ってるの。今はまだ30分しか経ってないから残り9時間と30分。その間に私が目を覚ましたらお兄ちゃんも嘘付きって事だから。そしたら探して見つけて始末してあげる。」

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作者名:迷ヰ猫 | 作成日時:2019年7月16日 1時

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