拾 ページ11
中也Side
とんでもねえ餓鬼を助けちまった...
だが、あの笑みはただの無邪気な子供にしか見えない...
「でも酷いよ中也お兄ちゃん。名前だけ教えて帰ろうとするなんてそんなのズルいよ。私とお話ししてくれないなら他の人達も私が起きる迄の間此処に閉じ込めちゃうよ？そんな事して欲しくないでしょ？だから私とお話して。お話して遊んで。ね？ね？」
中也「....わかった。」
「！！」
中也「ただし此れにも条件だ。今度はズルはしねえ。俺を仲間達の所に連れてってくれ。此のままでも良い。ただお前と話しをしてから帰るって伝えるだけだからよ。ちゃんと伝えておかねえと他の奴が心配するからな。約束する。」
「ほんとに？中也お兄ちゃんの仲間が居る場所に連れて行ったら私とお話してくれる？遊んでくれる？」
中也「嗚呼、約束してやる。」
「じゃあ約束だよ。」
中也「なっ！」
突然俺を囲む様に異常な数の太い針が現れ、Aの手には裁縫鋏が握られていた。
「約束破ったら針千本刺して裁縫鋏で指切るからね。安心して、今の中也お兄ちゃんは痛みがちゃんと感じる身体だから針が刺さったら痛いし血が出るよ。」
中也「っ！」
コイツ....
「じゃあ行こっか。」
敦Side
敦「！此れって...」
僕等が辿り着いた先には大勢の一般人が集まっていると全員此処が何処なのかわからず軽くパニックを起こしていた。
鏡花「全員、私達が気を失う前に歩いていた人達。」
ナオミ「でも、太宰さんと中原さんの姿が見えませんわ...」
芥川「....！おい、上を見ろ。」
芥川の言葉で僕等は上を見ると巨大な猫のぬいぐるみが飛んで来てはその手には何か扉の様なものを持っていた。
そしてその巨大な猫のぬいぐるみは扉を置き、よく見るとその扉には出口と書いてあった。
"で、出口だ！"
"此処からなら帰れる！"
"絶対そうだ！"
僕等以外の人達は出口と書かれた扉を開け中へ次々入って行き、僕等だけが残った。
敦「あの扉から出れるとして...」
芥川「太宰さんと中原さんがまだだ。」
鏡花「...！ねえあれ！！」
鏡花ちゃんがある方向を指差し、僕等が目を向けると今度は巨大な竜が此方に向かって来て、よく見ると竜の背には蔓の様なもので身体を拘束され、無数の太い針に囲まれた中也さんが乗っていた。
芥川「中原さん！今助けm((中也「助けなくて良い芥川！」！？」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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作者名：迷ヰ猫 | 作成日時：2019年7月16日 1時
