男主が好きなんです。 (ページ10)

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「は…！？何が起こって…『オイオイ！こんなもんかァ！？』

「おい、山南！油断するな」

『チッ、うるせェな…。久々なんだ。楽しませろよ。』

「…ハァ、楽しむもんじゃねぇよ。」

先程まで不利だったはずの真選組側は、一瞬で優勢になっていた。
相手は何十人もいるのに……たった二人で…。

二人の化け物じみた強さにあっけらかんとしていると、副長の後ろから一人の攘夷志士が襲いかかろうとしていることに気づく。

副長は目の前の敵達に気をとられ、気づいていない。

副長ッ危ない！
そう叫ぶ前に山南さんがその攘夷志士に切りかかっていた。

『おい、お前にゃあコイツは殺させねェよ…。』

その声はいつもの山南さんとは違かった。
”怖い”。仲間のはずなのにそう思ってしまうくらい殺気がこもっていた。

「…ﾋッ。ｳﾜｧｧ！」

攘夷志士は、先程までの威勢はどこ行ったのだろうかなんて思ってしまう情けない声を出して切り倒される。

「…山南…」

『え、何々。感動してんの？いや、当たり前だろ。』

「…助かった…。ありが『お前は俺が殺すんだもん。』

「……一瞬でも感謝した俺が馬鹿だった。」

『そうだ！お前は馬鹿だッ！今更気づいたのか！』

……通常運転だった。

「だいぶ減ったな。」

『あ”ぁ”。疲れた～。』

何十人もの危険な相手にたった二人で突っ込んで行ったはずなのに、いつの間にか攘夷志士は残り数名になっていた。

『思ってたより疲れた…。年かな…。』

いつも命がけで喧嘩()しているこの二人は

「ラストスパートだ。」

真選組を導くこの二人は

『よし、行くか。』

局長を…いや、

『「うおおおおおおおおおおっ！！！！！」』

真選組を守る二本の刀だ。