男主が好きなんです。 (ページ7)

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『へ…？な、なんで！？』

「貴様はAだな？」

『は、はい…！』

心臓の音がうるさい。彼の動作や言葉一つ一つにドキドキしてしまう俺は重症だ。

「A、お前をさらいにきた。…大人しく私について来るか、ここで死ぬか、どちらか選ぶといい。」

さらいにきた…！？彼について行ける…こんなに幸せなことがあって良いのだろうか。

彼になら殺されるのも良いな…だがもちろん俺が選ぶのは

『貴方について行きます。』

「フッ…良い判断だ。さぁA、早く来い」

と言って彼は俺に手を差し伸べる。

幸せでいっぱいになりながら、彼の手を掴む。

そこで

目が覚めた。

俺の目の前には誰もいない。

『…………ゆ、め…？』

…………そう…だよな。俺が一方的に彼に恋い焦がれてるだけで、彼は俺の存在すら知らないんだもんな…。

分かってる。

そんなこと。

ただ、心にポッカリと穴が開いた感覚がした。

彼を想いながら寝たから彼の夢を見たのだろうか。

夢だと分かっていたら目覚めなかったのに……。

”思いつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを”
─小野小町

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この歌を見て急激にお話を書きたくなって、何も考えずバーっと書いたので、内容が薄かったり、おかしいところがあるのは多目に見てください…