男主が好きなんです。 (ページ4)

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『コレ食べるか？』

と少し溶けかけているチョコレートを二人の前に差し出す。

「……ッ……。」「……うぅ……兄上ぇ……」

が、なかなか取ろうとしてくれない。いや、今すぐにでも食べたいのだろうが警戒と恐怖の方が勝っているのか。

毒でも入ってると思ってるのか？

『毒なんて入ってないから大丈夫だぞ？』

と言って俺はチョコレートを一つ食べる。うん、少し溶けてるが普通に美味しい。

『ほら、ビビらせちゃったお詫びってことで受け取って？』

少しでも安心させてやろうと、俺が出せる最大限の優しい声でそう言うとドフラミンゴが震える手でチョコレート一つ取った。

「……。」「…食べれるの……？」

「……俺が食べてみる。…ロシーはまだ食べるなよ？」

ドフラミンゴは恐る恐るチョコレートを口に運んだ。

「………………おいしい…」「…本当ッ？僕も食べていい！？」

ロシナンテも許可をもらい、ドフラミンゴに続いてチョコレートを食べる。

「ッ～おいしい！！」

わぁ、笑顔がまぶしい。

チョコ一つでここまで喜んでもらえると思っていなかった。……まぁ、まだまだ可愛らしい子供なんだもんな。

その後は俺のことを少しだけ信用してくれたのか、少しずつ向こうから話を振ってくれるようになってきた。9割方ロシナンテがだが。あと、軽く自己紹介もした。

読者時代の俺はロシナンテは好きだったが、正直ドフラミンゴは好きじゃなかった。むしろ嫌いなキャラだった。

めちゃくちゃ悪い奴だし、なんか怖いし。

でも今俺の前にいるこいつはどうだ？…めちゃくちゃ可愛いじゃないか…！

本当にあのドフラミンゴなのか疑いたくなるレベルで可愛い。

…でも原作通り進むのならコイツらには、幸せと呼べるような未来は待っていないのということだろうか。

……な～んてこと俺が考えても何にもならないか…まぁかなり心苦しいが仕方ない…のか…？

脳内で一人、悶々としていると日が沈んで来てることに気がついた。

コイツらもこれ以上遅くなると親が心配するだろう。ということで今日はもうお開きだな。

『そろそろ暗くなってきたし、お前ら早く帰れよ？俺も帰るよ～じゃあね。』

と、立ち去ろうとした時二人に袖をつかまれた。

『…どうした？』

「まだ話したい！」

ロシナンテが少し泣きそうな顔で言った。

ッ～コイツ可愛いなッ！！

『う～ん…でも親御さんにも迷惑になっちゃうからな～…』