baby*45 ページ46
「結婚することになりました」
Aの発言の直後、喫茶店内に響いたのは歓喜の雄叫びだ。
Aの隣に座る花宮は、鬱陶しそうに眉間にシワを寄せた。
男達(黒子は除く)の歓声に終止符を打ったのは。
「うるさいです。赤ちゃんに響きます」
「「「「すみませんでした」」」」
やはり彼女で。
まるで我がことのようにお腹の中の子供を心配する男ばかりだ。子供を引き合いに出せば大抵はこれで大人しくなる。
流石、男達の中ただ1人の女店員として働いていただけある。手綱の掴み方が巧みだ。
「花宮サンも意外とAちゃんの尻に敷かれるかもしんないすね」
「…うるせぇ」
あ、否定はしないんだと高尾がまた笑う。
数日間入院した後、赤ん坊に異常が見られなかったことからAは割と早く退院できた。
現在、虹村の店を貸し切って退院祝いをしている。
ここに花宮がいるのは、その場でついでに婚約報告をしようと彼女に連れてこられたからだ。
「その内お互いの親とか元誠凛のメンバーにも報告はしようと思ってるんですけど、1番はやっぱりここの皆に聞いて欲しくて」
お世話になりましたしと照れたように笑うAに、なんていい娘なんだと虹村が涙ぐんだ。
鼻で笑った花宮に、虹村と氷室が席を立つ。
「よーし、殴る。花宮殴る」
「今までAを泣かせた分だけ制裁してあげるよ」
「目がマジなんだが」
再びギャーギャーと騒ぎ出す男達に呆れたAに、同年代3人組が話しかけた。
「でも良かったな。オメデトさん」
「ふ、2人とも!あの灰崎がおめでとうって…!」
「それはそれは…お赤飯炊かなきゃいけませんね」
「花宮サンといい灰崎といい最近デレ炸裂してるよね」
「お前らはオレを何だと思ってんだ」
「おい聞こえてんぞ高尾」
馬鹿騒ぎを見て笑うAが視界に入って、高尾はそっと笑んだ。
たくさん泣いて、たくさん苦しんだのだ。
これからはそれ以上に幸せになってほしい。
「(花宮サンにそれを任せるのは気に食わねーけど…Aちゃんはやっぱ笑顔が1番似合うし)」
互いを思うあまりすれ違い、凍った2人の関係が優しい風で溶けて、ようやく向き合って1つになり、
そして新しい命が訪れる。
『結婚することになりました』
心から幸せそうな、まるで春に咲いた花が温かい日差しの中で綻ぶような、そんな彼女の微笑みを。
オレはきっと忘れない。
fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 486人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チベスナ(プロフ) - この作品で花宮さんめっちゃ好きになりました....執着からくる一途さがもう素晴らしい、何より花宮さんぽい恋愛すぎて尊い(語彙力) (2020年9月10日 2時) (
レス) id: d26d5f7a91 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - もうやばいめっちゃ名作じゃないですかああああ花みゃーが格好良すぎる…そりゃ一日で殿堂入りしますよこれは! (2020年3月10日 19時) (
レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - 5話でやっと名前が「(名前)」のままだったことに気づいた我。ていうナニコレ序盤でもうにやけが止まらなさすぎるんですけど…神ですか? (2020年3月10日 18時) (
レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
き - 感動したーーーーーーー!!!! (2019年11月27日 20時) (
レス) id: d95af1f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 最高過ぎです。語彙力どうでもいいぐらい最高です。最後の高尾何なんですか?涙が出そうでしたよ? 本当作者さん何で高尾をもっとイケメンにさせちゃうんですか??? (2019年5月2日 23時) (
レス) id: 1dd2715002 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モブA
| 作成日時:2015年2月28日 0時


お気に入り作者に追加

この作品を見ている人にオススメ
