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「…だから…やめてって…………」
「やだ。やめない。」
また、裕翔くんの暖かい身体が俺の冷え切った身体を包み込む。
昔から君はほんとに頑固で、
「なんなの…………」
「だってやま、泣いてるし…!なんか熱いし!…絶対熱あるって、いうか……今は独りにさせたくない、っていうか……」
お人好しで、言っても聞かない奴で、
やけに心配性なとこがあったよね。
そういう所が好きだった、のかも。
「…べつに、大丈夫だし……」
「ほら出た!やまの強がり!…昔からほんと変わってないな…」
「んな…!」
「隠せてないよ…俺にはすぐわかる。」
何を言ってるんだか。
俺の気持ちには、気付かなかったくせに。
俺のことなんて何も知らないくせに。
「はぁ…もういい……疲れた……」
「…家、入っていい?」
「…ん」
そんで俺は、昔から押しに弱いんだ。
知ってた?
裕翔くん。
*
「どうだった?」
「…38.7…」
「やっぱり。なんか顔赤かったし。最近体調良くなかったんじゃない?」
「ぐ…」
今俺は、何も言い返せないし、まんまとこの中島裕 翔を家に入れ、甲斐甲斐しく看病されている。
なにしてんだ、俺は。
「もういいよ…帰って…寝てれば治るし…」
「やま…」
優しくされるのは苦手。
慣れてないし、こんな俺に…って考えが頭をよぎって、
苦しくなる。
だから俺の場合、優しくされてもそれが逆にストレスになったり。
相手には悪いけど。
「…久しぶりに裕 翔にあえて良かったよ。」
"くん"を付けるのはやめておいた。
昔の気持ち悪い自分と重なりそうだったから。
「あの時、ギクシャクしたままだったしさ……どうしてっかな〜って…ちょっと気になってたんだよね、はは…裕翔冗談通じねーからさ…勘違いされたままじゃ嫌だし、言っておくけど…あれ、冗談だから。」
「あれ、って…」
「あー…覚えてないならいーわ…」
そう。
いつまでも女々しく過去のことを言っているのは俺だけ。
忘れられないのも俺だけ。
そうだよな…裕翔くんは、
ただの友達に戻りたいんだもんな………
「…とりあえず、今日は悪かった…」
「やま、」
「また今度、メシでも奢らせて…?」
「!?」
それなら俺は………
「…お前とまた、友達になりたい。ちゃんと。」
「…やま……」
あの頃と同じ友達ごっこを
演じよう。
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ひじり(プロフ) - 山田くんが、等身大の悩みを抱えた男の子って感じで、可愛くて愛おしいです!裕翔くんの気持ちも気になりますっ!なんだかどんどん続きが読みたくなっちゃいました!ステキなゆとやまをありがとうございます!!頑張ってくださいっ!!!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: b0ac71fcb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田マンボウ | 作成日時:2018年3月25日 20時