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「っとにむかつくんだよなにもかも〜〜!!」

「山田、落ち着け…な?」

「うるせ〜!!ジョッキもっともってこ〜〜〜い!!!!ヒック、」

「漫画かよ!」



イライラとモヤモヤ


全部が頭の中をぐるぐる回って


気持ちが悪い。


何を考えてたのか分からなくなるほど頭はクラクラしているのに、一向に消えてくれない昨日の記憶。


薮ちゃんの隣で腕を組んで歩く綺麗な彼女。

誰もが認めるお似合いカップル。


張り合う価値さえない自分。



考えれば考えるほど、頭がぐるぐるして酒を飲むスピードが早くなる。



「お前もうやめとけって、絶対完璧酔ってるだろ。」

「らいちゃん…」

「ほらもう呂律回っとらんし…何?」

「おれ、きもい…?」

「え?」

「おとこがすきだし…めめしいし…うざい…?」

「はぁ…お前はほんとに…」

「…」




ほんとは誰かに認めてもらいたい。



大丈夫。おかしくないよ。

それが普通だ。


そう言ってもらいたい。



でもこんなのは普通じゃない。

それを分かってるから


否定もしてもらいたくなる。


お前は間違えている。

ってこんな俺を正してほしくなる。




我ながら矛盾していると思うし、そんな矛盾を親友に押し付けている自分はほんとにずるいと思う。




だって、




「…キモくないよ……お前の全部が正しいとは言えないけど、少なくとも俺は…どんなお前でも受け止められる自信あるよ。」




大ちゃんは絶対に俺の欲しい言葉をくれるから。

俺が傷つかずに済む答えをくれてしまうから。





「…マンションまで送ってやるから。もう帰ろ?」

「…うん」








俺はほんとにずるい人間だ。












気を付けろよ!なんて大ちゃんの声を背中に感じながらマンションのエントランスに入る。




ゴウンゴウンといつもよりゆっくり感じるエレベーター。




「結局、俺ばっか喋っちゃったなぁ……、」



酔いはさっきよりか覚めているが、まだ足取りが重い。




前に、大ちゃんと付き合ったら幸せだろうな。なんて最低なことを考えたことがあった。




そんな甘い考えで後悔したのは自分なのに。


学習能力が無いのは俺の方だ。








トラウマの原因を作り出したのも俺自身なんだし。

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ひじり(プロフ) - 山田くんが、等身大の悩みを抱えた男の子って感じで、可愛くて愛おしいです!裕翔くんの気持ちも気になりますっ!なんだかどんどん続きが読みたくなっちゃいました!ステキなゆとやまをありがとうございます!!頑張ってくださいっ!!!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: b0ac71fcb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田マンボウ | 作成日時:2018年3月25日 20時

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