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「お疲れ様でしたっ」






勤務時間があっという間に終わり、他の社員に挨拶をして帰る。


いつもとなんら変わりない平凡な一日。

"普通"の一日。




「涼介。今日飯行かない?空いてる?」



滅多にない薮ちゃんからのお誘い。

正直めちゃめちゃ行きたい。

でも…




「ごめんなさい…今日ちょっとやらなくちゃいけないことあって…」



嘘。

だって、一緒にご飯なんて行ったらもっと好きになっちゃう…



「そっか、じゃまた今度な!」

「はいっ」




惜しいことしたなぁ…なんて思いながら去っていく薮ちゃんの背中を眺める。


もし…もし、気持ちを伝えたら…





薮ちゃんはどんな顔をするだろう…






なんて。




こんな恋、許されるわけがないのに。









行きつけのスーパーで夕飯の買い物をして今日は近道を通らず、ゆっくり帰る。

今日はそんな気分だった。

家に帰ると色々考えてしまうから。






音楽を聞きながら帰っていると、目の前にフラフラしながら歩いてる人が通りかかった。


「え…おばけ…?」




怖い怖い怖い怖い!!


お化けは小さい頃から大の苦手。

それを高校時代はよく結翔くんにいじられたっけ…






「あ、あの…大丈夫ですか…?」






あの頃のことを考えると何故か恐怖心がなくなって、思わずフラフラしていた人を支えて声をかけていた。




「あ…すみま、ヒック、せん…」

「お家どこですか?」

「え、と…一駅隣の…ヒック…」

「え!?駅は反対方向ですけど…」

「うぅ…頭痛い…」

「あ、ごめんなさい…大きい声出して…」

「あぁ…いや、僕の方こそ、すみません…」

「いや…」

「お金…足りなく、ヒック…なってしまって…カードも家に忘れて、しまったので…」



あ〜、酔っ払いだこの人。



それくらい馬鹿な俺でもすぐ気付いた。




眼鏡をかけていたし暗くて顔はよくわからなかったけど


何故かほっとけなくて…








「今日はうちに、泊まってください…危ないので…」








俺は結構お人好しな馬鹿なのかもしれない。

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ひじり(プロフ) - 山田くんが、等身大の悩みを抱えた男の子って感じで、可愛くて愛おしいです!裕翔くんの気持ちも気になりますっ!なんだかどんどん続きが読みたくなっちゃいました!ステキなゆとやまをありがとうございます!!頑張ってくださいっ!!!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: b0ac71fcb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田マンボウ | 作成日時:2018年3月25日 20時

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