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「お疲れ様でしたっ」
勤務時間があっという間に終わり、他の社員に挨拶をして帰る。
いつもとなんら変わりない平凡な一日。
"普通"の一日。
「涼介。今日飯行かない?空いてる?」
滅多にない薮ちゃんからのお誘い。
正直めちゃめちゃ行きたい。
でも…
「ごめんなさい…今日ちょっとやらなくちゃいけないことあって…」
嘘。
だって、一緒にご飯なんて行ったらもっと好きになっちゃう…
「そっか、じゃまた今度な!」
「はいっ」
惜しいことしたなぁ…なんて思いながら去っていく薮ちゃんの背中を眺める。
もし…もし、気持ちを伝えたら…
薮ちゃんはどんな顔をするだろう…
なんて。
こんな恋、許されるわけがないのに。
※
行きつけのスーパーで夕飯の買い物をして今日は近道を通らず、ゆっくり帰る。
今日はそんな気分だった。
家に帰ると色々考えてしまうから。
音楽を聞きながら帰っていると、目の前にフラフラしながら歩いてる人が通りかかった。
「え…おばけ…?」
怖い怖い怖い怖い!!
お化けは小さい頃から大の苦手。
それを高校時代はよく結翔くんにいじられたっけ…
「あ、あの…大丈夫ですか…?」
あの頃のことを考えると何故か恐怖心がなくなって、思わずフラフラしていた人を支えて声をかけていた。
「あ…すみま、ヒック、せん…」
「お家どこですか?」
「え、と…一駅隣の…ヒック…」
「え!?駅は反対方向ですけど…」
「うぅ…頭痛い…」
「あ、ごめんなさい…大きい声出して…」
「あぁ…いや、僕の方こそ、すみません…」
「いや…」
「お金…足りなく、ヒック…なってしまって…カードも家に忘れて、しまったので…」
あ〜、酔っ払いだこの人。
それくらい馬鹿な俺でもすぐ気付いた。
眼鏡をかけていたし暗くて顔はよくわからなかったけど
何故かほっとけなくて…
「今日はうちに、泊まってください…危ないので…」
俺は結構お人好しな馬鹿なのかもしれない。
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ひじり(プロフ) - 山田くんが、等身大の悩みを抱えた男の子って感じで、可愛くて愛おしいです!裕翔くんの気持ちも気になりますっ!なんだかどんどん続きが読みたくなっちゃいました!ステキなゆとやまをありがとうございます!!頑張ってくださいっ!!!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: b0ac71fcb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田マンボウ | 作成日時:2018年3月25日 20時