Ｔｏｐａｚ (ページ10)

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冷たいワケ＿1 ページ10

涼介side

涼「大ちゃん、課題手伝ってもらいたいんだけど………大ちゃん？」

解けない問題を睨んでいたら頭が凝って。

一階に降りてきたらダイニングテーブルに肘をついている大ちゃんがいた。

学力は変わらないけど一応学校の先輩なので、頼んでみたものの返事がない。

涼「だい、………」

大「涼介………ばかっ来んな！」

顔を覗き込んだら、ようやく俺の存在に気がついたみたいで。

直後………俺から距離を取る大ちゃん。

その理不尽さに………俺は、カッと来ちゃって。

涼「来んなってなんだよ、なあ！拒絶されるようなこと頼んだ覚えないんだけど」

大ちゃんだって……慧くんに丸投げしたりしてるくせに。
分からないなら分からないで最初から期待してないから普通に断ればいい。

なにより…………怒りの理由は、ショックだったからだ。

大「………いいから……こっち、来んなよ」

涼「なんで………」

大「……………」

納得する説明をしてくれないと気持ちは収まらない。

黙ってないで答えろよ……と詰め寄ったのがいけなかった。

涼「っ、……ぅ……はあ……」

大「涼介っ………」

勢いに任せて動いたものだから、視界がぐるぐるし始めて。

…………伸ばしかけの腕が床につく。

久々の兄弟喧嘩も俺には許されていないみたいで。
むしゃくしゃした気持ちと交じって悔しかった。

涼「…うぅ………っ……」

大「…………」

ぱたぱた床の振動を感じる……大ちゃんがリビングから出ていったのだろう。

いつもなら、駆け寄ってきて背中を擦ってくれる手がない。

泣きたくないのに………

涼「…っ………うっ…く……」

………戻ってきてよ……お兄ちゃん………俺は見捨てられたの？