Ｔｏｐａｚ (ページ31)

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思い出の＿1 ページ31

大貴side

………朝は一日で一番忙しい。

本当は二度寝したい、ベッドに沈んでいたい……けれど………

慧「大ちゃーん！起きなさーい！」

………くそぉ………

たまに寝坊しようとすると、動物の勘なのか慧が早起きする。

大「ん゛……ぅるせ……あと5分……」

慧「そう言ってからもう30分経ってるよ。そろそろ涼ちゃんも起きてくるんだから」

大「…………今日だけだから…」

……今日だけは遅刻させてくれ、と頼んでいるのと同じだから…父親として許すわけがない。

涼介が俺より先に起きたら体調が悪くても隠して出ていくかもしれないし………起きるしかないか、飯も作んないと…………

今何時だ………？

慧が飯を作ってくれたらいいのに……

それはないな、究極の面倒臭がりだから。

慧「………はい、5分！」

大「分かった、起きるよ……」

慧「お味噌汁と焼き魚はマストで……サラダもつけてね！」

大「……はあ？…………朝からリクエスト多すぎだろ……」

……いつの間にか眠気は消え、我が儘な父を黙らせる方法を考える。

慧はふわふわ、蝶々のように部屋から出ていった。

大「なんだありゃ」

そう呟いてすぐ。

起き上がって、顔を洗いに下へ降りる。

コーヒー片手に新聞とか……優雅な朝の時間を楽しんでいた慧の邪魔をするためにも。

慧「あぁー、大ちゃんも飲みたかった？」

こいつ……俺がまだコーヒーを飲めないことを知っていて、わざとだな。

こうなったら今日の朝食は………洋食にしてやる！

涼「おはよう」

慧「うわぁーーーん！涼ちゃんっ…大ちゃんがいじめるぅ！」

大「人聞き悪いな」

涼「今日はトーストなの？」

………たまにはそういう日があってもいいじゃん？

俺も涼介も侑李も絶対白飯！って訳じゃないし。
あくまで、騒ぐのは慧だけ。

侑「けぇ君、食べないの？」

大「あれは気にしなくていいよ」

……一人だけ違うものを用意するなんて甘やかしたことはしない。

涼介も慧のことは気にせず朝食を食べはじめて。

………慧もそのうち食べるだろう。今は抗議だとか言って腕を組んでいるけど。

涼「ごちそうさま、俺もう行く」

大「熱計った？」

念のためってやつだ……一応聞いておかないと無理するから。

今朝は顔色も良くて至って元気そうだけどな。

涼「……ご心配なく！いってきまーす」

慧「行ってらっしゃい」

駄々っ子は放って。

侑李の仕度をして俺も学校だ。