Ｔｏｐａｚ (ページ2)

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山田家＿1 ページ2

慧side

大「はぁあ…」

寝起きでボサボサの頭を掻きながらリビングへ降りてきて早々大貴の溜め息の挨拶。

慧「どうしたの？」

聞いてくれと言わんばかりの溜め息に面倒臭いなぁと思いつつも聞いてあげる。

……大体察しはついているけど。

大「涼介、学校行ったよ」

慧「あれま……」

大「何でそんな呑気なんだよ！？涼介昨日倒れたんだぞ？」

ぷんすか怒っている大貴の気に障らないようにあくびをしながら用意された朝食をつつく。

涼介も反抗期真っ只中だからなぁ………少し前は大貴が大変だったけど………

なーんて思っていたら、心の声が聞こえたのか、レーザービームばりの熱視線を感じた。

慧「んー、でも大貴が言っても聞かなかったんでしょ？」

大「そうだけど…、慧は父親だろ？」

慧「まぁね」

……そう言うけど大貴は俺のこと呼び捨て。

大「…はぁあ」

またまた大きな溜め息。大ちゃんの幸せが目に見えて飛んでいくよ～？

……と、そこにドタドタ軽快な音を響かせて降りてきたのは末っ子の侑李。

侑「んむぅ、りょおすけ…いない…！」

おやまぁ、こっちも朝から機嫌が宜しくないみたい。

慧「涼ちゃんは学校だよ？」

侑「なんでいかせたっ！ゆーりといっしょなの！」

そうなんだけどね……お父さんも行かせたくはなかったよ。

侑李はまだ4歳。高校生の長男大貴と中学生の次男涼介とは年が離れているために家族皆から溺愛されている。

……事情は分かっていないかもしれないけど、侑李も涼介が心配なんだな。

昨夜は俺と一緒に寝るのを拒んで……何処へ行くかと思ったら枕を抱えて涼介のベッドに潜り込んでた。

少しずつ、大人になってると感じて………寂しい。

慧「侑ちゃんは保育園の準備しようね～」

侑「…はぁい」

慧「大ちゃん学校遅刻しちゃうよ？」

大「俺、知らないからな」

まだ何か言いたそうな顔をしながらも朝食を運び始める大貴に思わずクスッとしてしまう俺。

大貴くんにはいつも感謝してますよー………って、おおっ侑李が抱っこのポーズで待ってるわ。

慧「ごめんごめん、侑ちゃん」

侑「ごめんはいっかい！」

慧「そうだね～、ごめんなさい」

大ちゃんが準備をしてくれてる間に俺たちも仕度しておかないと。

……にしても涼介は随分早くに起きたもんだ。絶対引き留められるとわかっててのことだろう。

大「ご飯できたよ～」

………さてさて、大事な朝食をとって、今日も一日頑張りますか！