11話 ページ11
善逸君が最終選別に向かって7日目
きっとそろそろ帰ってくるだろうな、と思いながら洗濯物を干していた。
すると玄関の方に人影が見えた。
走って玄関に行くと、ボロボロの善逸君。
A「…善逸、君…おかえり……おかえりなさい!」
勢いよく飛びつくと体勢を崩して倒れ込んでしまった。
善逸「えへ、へへ…ただいま…Aに抱きつかれて、俺幸せ…」
ごにょごにょ言っている善逸君に目もくれず大声で先生を呼ぶ。
A「せんせーーーい!善逸君が帰ってきましたよーーー!!!」
するとドタバタと屋敷を走り回る音が聞こえ、玄関の戸が勢いよく開き、倒れ込んでいる善逸君に飛びかかった先生。
善逸「いってーー!いてえよじいちゃ…あ…」
ボロボロと涙をこぼす先生を見てハッとする善逸君
慈悟郎「よく帰ってきた!!流石儂の弟子じゃ!」
その言葉に善逸君の表情は崩れる
善逸「うわあああああじぃちゃああああん!!
俺がんばったんだよおおおお!怖かったけどさあ!!がんばったんだよおおおおおおお!!」
うんうん、と善逸君を抱きしめながら頭を撫でてあげている。
私も嬉しくて涙が出て、先生と善逸君をいっぺんにだきしめた。
あたたかくて心地いい。
今、私たちはしっかりと生きている。
善逸君のために先生は風呂を沸かし、私は町で買ったうなぎを焼いた。
うなぎ屋さんに今日善逸君が帰ってくるんだ、と言うと、秘伝のタレを分けてもらえた。
A「えーっと…始めチョロチョロ、なかパッパ、ぐつぐついったら火をひいて、赤子泣いてもふた取るな…」
かまどのご飯の様子をみながらぬか床の胡瓜と茄子と人参を取り出す。
おいしそうな匂いに思わず口角があがる。
野菜についたぬかを洗い流し、よく研いだ包丁で丁寧に切っていく。
A「あっ!梅干しもそろそろ食べごろかな…」
冷暗所に置いてある梅干しの壺を取り出し、蓋を開けてみると甘いような酸っぱい匂いが鼻いっぱいに広がった。
机にうな重と漬物、味噌汁や小鉢をいくつか並べて2人を待つ。
どうやら2人でお風呂に入ったみたいだ。
慈悟郎「ふぅー、いい湯じゃったわい!」
善逸「じいちゃんと風呂なんて久々だったな〜」
A「さあ、もうご飯ができてますよ〜」
善逸「うっわあああすげえうな重じゃん!!
いいの!?俺こんなの食べていいの!!?」
慈悟郎「お前のために拵えたんだ。
ありがたく食え!」
善逸「ありがてえよおおお!」
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pocky - 面白い!とっても素敵な作品ですね!! (2020年6月29日 22時) (レス) id: 67e63b3be0 (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - 読んでる時の感想→「え?え?なんで優しいお兄ちゃんの獪岳が私(夢主)殴ってるの!?作者さん嫌い…いや嘘だけどさ、本当は大好き!!でもどうしてこうなった?あ、最後の獪岳の言葉身に染みる」って感じでうるさかったです…素晴らしいですね(さっきの言葉どうした) (2020年3月23日 2時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE(プロフ) - 最後の獪岳の一言で私の涙腺が崩壊した。 (2020年2月24日 23時) (レス) id: 3871cda528 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - めっちゃ面白いえ、本当に面白いんだけど!( ゚ロ゚) (2020年2月20日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが見たいです!!! (2020年2月18日 12時) (レス) id: 35ab4fcffb (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年2月16日 2時