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西野さんと2人で美術室に入る。彼女は少し震えてるようだった。
ま「要件だけ、伝える。……全部、私がやったことなの。謝って許されることじゃないこともわかってる、どんな処分でも受けようと思う。本当に、……ごめんなさい。」
早口で彼女の口から真実を告げられた。
「なんで、フジくんの似顔絵には手をつけなかったの？」
ま「……本当は全部、壊してやるつもりだった。でもフジくんの顔を見て手が止まったの。」
ま「なんでかわからないけど…それだけ。」
「そっか。」
ま「フジくんがこれから何を言おうと、全部私が悪いの。私が私の意思でしてしまったことだから、だからそれを伝えたくて、佐々木さんに謝りたくて…ここに来た。」
彼女の瞳は悲しい色を帯びていたが、ずっと私の目を真っ直ぐ見て謝罪していた。…きっと彼女の言葉に嘘はない。
…
お兄ちゃんに昔に言われた言葉を思い出す。
牛「友だちが悪いことして謝ってきたらお前は許せる器のでっかい女になれよ。絶対。」
牛「でも、そのかわり謝ってこねぇ奴とかケジメ付けない奴は永遠恨め。俺もそいつ恨んでやるからさ。」
何故か私を妬んで嫌がらせをされていた時に言われた言葉。
__________ うん、わかったよ。お兄ちゃん。
ま「本当に、ごめんなさい。」
ま「許されないことだってわかって「いいよ。」…？！」
「わたし、西野さんのこと許すよ。」
「大丈夫。これは事故！仕方ない。私がきちんと管理しなかったのも悪いしね。」
「だから西野さんが気にすることないの。…誰が何と言おうと、わたし、あなたを許す。」
ま「な、なんで。わたしは、…」
ま「なんで、なんで、……許してくれるの？」
責任を感じているのだろうか目に涙を溜めているのに決して泣かない彼女の声は震えていて、その姿は凄く弱くて小さく見えた。
「なんでだろう……わかんない。」
「ズタズタにされた作品を見た時は、涙も出ないくらい衝撃で悲しかった。」
「でも、真っ直ぐ謝ってくれる西野さんを見て…許してもいいなって思えたの。」
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2021年7月29日 0時
