少しくらい、俺のこと見てくれてもええんやで？〈3〉【宮治】

気になること ページ5

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Aside





その日の放課後から、
私は妙な違和感を覚えた。





A「治。はい、水分。」



治「………ん」



A「あ、そうだ。さっきのサーブ、監督が……」



治「……」



A「…聞いてる？」



治「…聞いてるで。」





部活中、曖昧な返事しかしない治。



プレーに一喜一憂することもなく、ただ淡々と練習メニューをこなしていく姿に
私はひたすらに思考を巡らせた。



……なんだろう、不調かな？


そう思ってどこか悪いのか聞いてみるけど
なんもない、って流されて。




気分的に乗らない日もあるということで、
この日はそっとしておくことに決めた。





そして、次の日。



朝練がない日だったから、
切り替えれたかななんて確認も兼ねて
登校してきた彼に話しかけてみると。





A「治、昨日の英語の課題さ、──」



治「すまん、俺やってへんから角名に聞いて。」



A「……わかった。」





すまんな、ってもう一度謝り、席を立ってしまった。


教室を出ていく後ろ姿を、ただ見つめる。





A「……」





……まだ調子戻ってないのかな。





倫「…いつもなら、ご飯食べたらすぐケロッとするのにね。」



A「…倫太郎。」





同じく治の後ろ姿を眺めながら近づいてきた倫太郎。


チームメイトが言うんだから
やっぱり昨日からの治は、少し変だ。





倫「さっき話した時は、多少テンション低かったけど、わりと普通だったんだよなぁ。大会近いし、マネージャーも心配だよね。」



A「……うん。それもそうなんだけど。」



倫「けど？」





昨日から、気になってたもうひとつのこと。





A「……治、目合わせてくれないんだよね。」





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