ありえないよ ページ4
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Aside
ああ、これだから鋭い人は嫌だ。
A「……っ、」
………言えない。
言えるわけない。
治に告白されました、なんて。
私も治が好きです、なんて。
それでも興味津々の視線は私に向く。
さっきからうるさい心臓の音は必死に誤魔化そうとする私をどんどん疲れさせて。
……いっその事、私が治を好きなことは言ってしまおうか。
その方が、丸く収まるのかもしれない。
…でも、もしそれが治に伝わったら。
──『まあ、すぐプレーに影響出るやつやから、時期は考えてくれたら……』
ダメだ。
今は、大事な時期。
A「……ないない！好きなんて！」
宮本「えー？ほんまにぃ？なんか顔赤いで？」
A「え。」
阿部「顔ちょっと引きつってへん？」
A「え…！？」
まさかの指摘に
ああ、やっぱり嘘つくの下手くそだな、なんて思ってると。
美紀「もー。なんで言わへんの？他に好きな人おるって。」
A「え。」
真琴「せや。こんなとこで言うの照れてどうすんねん！」
2人からの助け舟。
宮本「え、及川さん好きな人おったん？」
美紀「せやで。3年の先輩。な？」
A「……うん。」
その言葉に宮本さん阿部さんも
なんだぁって納得したようで。
ふたりに気づかれないように美紀たちに感謝の視線を送れば、
まったく、と聞こえてくるような呆れたような視線が返ってきた。
宮本「もしかしたら、治くんが及川さんをって思てたんやけど。」
A「それもないって。治のタイプ、華奢で清楚な感じだし。」
阿部「そーなん！ええこと聞いたわぁ！」
宮本「じゃあ、ほんまに私らが見たタイミングがそれぽく見えただけやったんか。」
A「うん。ありえないよ。私が治となんて。」
絶対ない！って笑いながら
取り繕いまくった嘘に、なんだか胸が痛む。
でも、チームに影響したら嫌だし。
治「……席、座りたいねんけど。」
宮本さん達の背後からそんな声がして
視線をそちらに向ければ、
そこには、ちょうど用を済ませて帰ってきたらしい治。
タイミングよくチャイムが鳴り
宮本さん達は自分の教室に、真琴たちも自分の席に戻っていく。
ドカ、と椅子に座る治に
A「…おかえり。遅かったね？」
と、声をかけてみれば
治「……おん。」
そんな、淡白な返事が返ってきた。
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名無し86757号(プロフ) - いつかのイラストを描いていた者です。2年ぶりに最初から読みましたが本当に素敵な作品でずっときゅんきゅんしています。いつまでも待ってますのでこの素敵な恋を素敵な形で完結していただきたいです。 (9月5日 21時) (
レス) id: 717f7bf83d (このIDを非表示/違反報告)
_zh(プロフ) - 面白い作品ほど作者が失踪するジンクスを実感しています。いつか戻ってきてくれるという淡い期待を持ちながらお気に入り登録しますね。 (8月30日 21時) (レス) @page43 id: d3a24f0cd7 (このIDを非表示/違反報告)
カービイ - ぼ、僕も!!!お話すごくおもしろかったので更新待ってますね。頑張ってください!!! (2022年8月5日 21時) (レス) @page39 id: 16e8e39b36 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 続き待ってます (2022年8月3日 4時) (レス) @page39 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 涙線崩壊してまった,,,この作品好き過ぎる (2022年8月3日 3時) (レス) @page29 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな。
| 作成日時：2021年2月13日 0時
