いいこと ページ25
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治side
銀｢あれ、治、飲み物は？｣
治｢…あ。｣
俺の席の隣に座り、キョトンと首を傾げる銀を見て、
自然と視線を移した自分の手元。
そこに、もちろんペットボトルなんかあるわけなくて、
教室を出た本来の目的が、飲み物を買うことだったと、今になって思い出した。
そんな俺に、何かあった？って聞いてくる角名。
いや、なんでも…って適当に返していると、
教室の後方の入口からAが入ってくる姿が見えて。
倫｢……Aと何かあったんだ？｣
治｢は？なんでそうなんねん｣
倫｢そんなあからさまにAのこと目で追ってたらさすがに。最近は気になってても、頑張ってチラ見で抑えてたし｣
どう？ってドヤ顔気味の角名に聞かれ、
図星だった俺は何も言えなかった。
……俺、そんなに分かりやすかった？
人が自分以上に自分のことを見ているとは、まさにこのことか。
倫｢……で、何？｣
治｢角名って、いつもズカズカ聞いてくるよな…｣
倫｢そう？ほら、休み時間終わっちゃうから早く。｣
こんなに急かされながら話すことか…？
そう心のうちで思いながらも、手短にまとめてみる。
治｢……好きでもないやつに思わせぶりなことできるほど器用やない、って。｣
倫｢…なんだ、そんなこと。｣
治｢は！？おまっ、そんなこと、って……｣
倫｢分かってたことじゃん、Aがそういうの下手くそってことくらい。ある意味いいところではあるけど。｣
何を今更、と呆れる角名の隣で
困ったように笑う銀。
なんや、気が抜けた気分やわ。
……Aの言葉が
この前、感情のままに俺が言ったことに対しての言葉であるということはなんとなくわかった。
でも、そうなると
まるで、Aが俺の事を、みたいになってしまうのが気がかりで。
その事を考えてずっと黙り込んでいると、
痺れを切らしたように角名が口を開く。
倫｢……また、Aが好きなのは先輩だから、とか考えてるでしょ。｣
治｢……別に。｣
倫｢偶然耳にした言葉と直接言われた言葉、どっち信じるかは勝手だけどさ。………いいこと教えてあげようか。｣
…いいこと？
首を傾げる俺に、角名は
倫｢……Aが文化祭の実行委員に立候補したの、治にめんどうな役回りさせないためだからね。｣
なんて、おかしなことを言い始めた。
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名無し86757号(プロフ) - いつかのイラストを描いていた者です。2年ぶりに最初から読みましたが本当に素敵な作品でずっときゅんきゅんしています。いつまでも待ってますのでこの素敵な恋を素敵な形で完結していただきたいです。 (9月5日 21時) (
レス) id: 717f7bf83d (このIDを非表示/違反報告)
_zh(プロフ) - 面白い作品ほど作者が失踪するジンクスを実感しています。いつか戻ってきてくれるという淡い期待を持ちながらお気に入り登録しますね。 (8月30日 21時) (レス) @page43 id: d3a24f0cd7 (このIDを非表示/違反報告)
カービイ - ぼ、僕も!!!お話すごくおもしろかったので更新待ってますね。頑張ってください!!! (2022年8月5日 21時) (レス) @page39 id: 16e8e39b36 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 続き待ってます (2022年8月3日 4時) (レス) @page39 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 涙線崩壊してまった,,,この作品好き過ぎる (2022年8月3日 3時) (レス) @page29 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな。
| 作成日時：2021年2月13日 0時
