言えない ページ16
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Aside
バランスを崩して後ろに後ずさった直後を
目の前をかなりのスピードで1台の車が通る。
…あ、危なかった………
あのまま前に進んでいたらと思うと、心臓がヒヤリとして。
お礼を言おうと後ろを振り向けば
A「……え」
そこにいたのは、ありえない人物。
……なんで
なんで？
A「お、おさむ……？こんなとこで何して……？」
恐る恐るそう尋ねれば、盛大にため息をつく治。
治「今日1日、フラフラしとるな思とったらこれやで。自分死ぬ気か？」
A「まっ、まさか！！」
慌てて反論したけど、治の表情は呆れてるままで。
A「ありがとう……」
治「もっと気ぃつけや。」
……あれ、こんなにちゃんと話せたの、いつぶりだっけ？
気にかけてくれてたことが、嬉しくて、
本当に嬉しくて。
治の目がこちらに向いていることが、とても久しく思えて
なんだか泣きそうになる。
じんわりと目頭が熱くなるのを感じて、とっさに目線を足元に移した。
治「……もう、このまま帰るん？」
A「…そうだけど……」
治「……ほな行こか。」
A「え、一緒に帰るの？！」
まさかそんなことになると思ってなくて
心臓の音が鳴り止まないのを必死に抑える。
でも、あんなに嫌悪の視線を向けてきたんだ。
たまたまタイミングが一緒になったからって
気を遣ってくれてるに違いないよ。
A「あ、えっと……私、歩くの遅いから先帰っていいよ？」
治「何言うとんねん。まともに信号も確認できんやつほっといて帰れるか。ひとりで帰って怪我でもされた方が迷惑や。」
A「あ………」
どんな反応したらいいかわかんなくて、
そうだよね、って必死に作り笑いを浮かべた。
そっか、�猝堆猫瓩覆里�。
その2文字が胸にズシンと突き刺さって。
治の負担にさせまいとしたことが、返って負担をかけることになってる。
結局私、ひとりでから回りしてるじゃん。
さっき、一瞬でも浮かれた自分が
バカバカしく滑稽に思えてきた。
行くでって歩き始めた治の後をついて行くように
私も駅へと足を進める。
A「……治、」
治「……なんや」
あれ、こういう時
なんて言うのが正解なんだっけ……
A「………、ごめんね………」
�爐△蠅�とう�瓩覆鵑董�言えるわけがなかった。
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名無し86757号(プロフ) - いつかのイラストを描いていた者です。2年ぶりに最初から読みましたが本当に素敵な作品でずっときゅんきゅんしています。いつまでも待ってますのでこの素敵な恋を素敵な形で完結していただきたいです。 (9月5日 21時) (
レス) id: 717f7bf83d (このIDを非表示/違反報告)
_zh(プロフ) - 面白い作品ほど作者が失踪するジンクスを実感しています。いつか戻ってきてくれるという淡い期待を持ちながらお気に入り登録しますね。 (8月30日 21時) (レス) @page43 id: d3a24f0cd7 (このIDを非表示/違反報告)
カービイ - ぼ、僕も!!!お話すごくおもしろかったので更新待ってますね。頑張ってください!!! (2022年8月5日 21時) (レス) @page39 id: 16e8e39b36 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 続き待ってます (2022年8月3日 4時) (レス) @page39 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 涙線崩壊してまった,,,この作品好き過ぎる (2022年8月3日 3時) (レス) @page29 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな。
| 作成日時：2021年2月13日 0時
