HiGH&LOW〜俺が守るから〜【3】《佐野玲於》

予想以上に ページ11

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思い切って部屋を出てきたものの
行き場所は特なくて。

とりあえず街をぶらぶらと歩く。



すると




ピー｢A？｣


A｢ピー…｣




こんな所で何してんだ？
そう言って首を傾げるピー。




A｢…レオに怒られてきた。｣


ピー｢なんで……あ、なるほどな。｣




手当の施された手を見て
大体のことは勘づいた様子。

私たちはしばらく
夕焼けに染まる街を歩いた。




A｢…｣


ピー｢険しい顔してんぞ｣


A｢だって、｣


ピー｢レオもそんな顔してた。｣


A｢え？｣




思わずピーの方を見ると
彼は優しく笑っていて。




ピー｢必死に考えてたよ。どうしたらAが安全で自由にできるのか。｣


A｢そうなんだ…｣


ピー｢サラみたいなことになったら堪らないからな。｣


A｢そんな簡単に連れてかれないよ｣


ピー｢マイティのところに行った時、バーニーのヤツ、連れ去るつもりだったらしいし。｣


A｢……、どういうこと？｣




ピーから聞かされたのは
レオがやり合ってる最中に交わした、バーニー達との会話だった。

私がひとりになるようにそそのかしてきたって。




ピー｢…その会話だけじゃ連れ去るつもりだったのか俺にはわかんないけど、レオは感じたんじゃねえの？バーニーの表情で。｣


A｢……｣


ピー｢怖ぇって言ってたぞ。もしまたバーニーがAに目をつけたら、今度こそいなくなりそうで、って。｣


A｢…なにそれ。｣




心配してくれてるんだ、
とは思ってたけど。


…私が想像してたよりもずっと
レオの不安は大きかったんだ。





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