HIGH&IOW〜俺が守るから〜《佐野玲於》

誤った人選 ページ47

.




レオ「どこかいくのか？」


A「ちょっとね。」


ララ「買い物だよ。」


レオ「こんな時間から？」




…内心、うっ、となった。

だって、私たちが出かけようとしているのは、19時前。

いつもなら19時以降に帰ってくることはあっても
こんな時間から出かけるってのはないから、
不思議がられるのも無理はない。




A「えっと、」


ララ「実は、ちょっとAに見せたい景色があって。お兄ちゃんにバレると、また遊んでるって怒られるから、内緒にしててくれない？」




私の代わりに咄嗟に言い訳を思いついたララが、
お願いってレオに向かって手を合わせる。


レオも、スモーキーに内緒ってことに、一瞬複雑そう顔をしたけど、
早く帰ってこいよって
私たちを送り出してくれた。




無名街が見えなくなるなり、カーキ色のジャケットを脱ぐ。

近くの公衆トイレに入って
クラブに入ってもおかしくないように、念入りに化粧もして。

ジャケットの下も、そこで変に浮かばないよう、TPPを意識した服。




ララ「よし、行こっか」


A「うん」




まずは、道端で店に一緒に入ってくれそうな人を探す。



……探し始めて数分後。



ララが一点を見つめながら、あ、と声を上げた。




ララ「あの人たちにしよっ。」


A「え、どれ？」




ほら、あそこ、とララの指差す方向に目を凝らす。


え、まって……




A「あの人たちって……」


ララ「いこ！」


A「あ、ちょ…！！」





私の制止も虚しく、ララはその2人組の目掛けて歩みを進めた。




………山王の2人組、

………………ダンとテッツに向かって。





.

ナンパ→←一緒に来て

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す