HIGH&IOW〜俺が守るから〜《佐野玲於》

本音 ページ24

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A「今日はちゃんと上着きてきたよ」




次の日の夜。

いつもの場所で現れたレオに言った。

すると、ん、と短い返事をして歩き出す。



ふたりで暗い夜道を歩いた。




A「……肩、もう平気になった。明日にはここを出ると思う。」


レオ「……そうか。」


A「うん。……」




なんだろう、おかしいな。

昨日とかなら、次々に言葉が出てきてたのに、続かない。

変な感じ。



黙った私を変に思ったのか、レオはこちらを見ながら聞いてきた。




レオ「どうかしたか？」


A「あ、いや、何も。」


レオ「急に黙られたら気味が悪い。」


A「いつもこんな感じじゃなかった？」


レオ「少なくとも昨日や一昨日は違ったぞ。」




自分でも、そう思う。

ほんと、どうしたんだって感じ。



だけど心の内では、なんでこんな風になってるのか、何となく予想がついていた。



これを、レオに言ってもいいのかどうか。

言ったところで何になるのか。



そんなことを考えると、また口を閉ざしてしまう。




レオ「…何なんだ？何かあるなら言え。」


A「何も無いよ。」


レオ「俺しか聞いてない。そんな作り笑いされたらムカつくんだよ。」




誤魔化そうと笑ってみるが、無駄だったみたいだ。

すぐ、見破られた。




A「……ほんとに、どうでもいい事だよ？」


レオ「構わない。言ってみろ。」


A「……怪我が治ってからも、ここに居ちゃダメかな…………？」





…レオの歩みが止まる。

それは、きっとダメだろうと思いながらも、口にした本音だった。




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