HIGH&IOW〜俺が守るから〜《佐野玲於》

新鮮 ページ21

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ハナ「Aお姉ちゃん、遊ぼ！」




昼間、ララと通りを歩いていると、
昨日遊んだ女の子、ハナちゃんに話しかけられる。


ララに先に部屋に帰ってもらうよう伝え、
私は膝を曲げて視線をハナちゃんに合わせた。




A「いいよ。何して遊ぼうか？」


ハナ「うーん、…おままごと！」




そう言って、おままごとセットを引っ張り出してくる。

ふたりで遊んでいると、1人、2人と女の子が増えてきて、
気づけば、大きなままごとが繰り広げられていた。



無名街の子達は、みんな仲がいい。

こんな風に、みんなが混じって遊んでるんだから。




A「ハナちゃん、私、そろそろ帰らないとだから、後はみんなで仲良く遊んでね？」


ハナ「うん！」




元気よく返事をしたハナちゃん。

今度は控えめな声で、また遊んでくれる？って。


なんだか可愛くて、もちろん！と返した。




……匿ってもらって、3日目。


だんだんとキズも癒えてきている。

今日は、全力では出来ないが、軽く肩を動かせるようになっていた。



多くて、あと2日。

そんな気がする。



回復したら、きっと、私は無名街に近づきにくくなる。

サラちゃんのことで1度怪しまれてるから。



周りを眺めながら、ララが待つ部屋へと向かう。



私にとって、ここの生活は新鮮で仕方がなかった。

私は、両親を亡くして、孤児院で育った身。

今も、住居を定めずに、
依頼を受けながら転々とホテル暮らしをしている。



人との交流をあまりしてこなかった私にとって、
ここの生活は楽しいもので。


あまり街の外を出歩けば、匿ってもらう意味が無いから、この数日間は依頼も受けずにいた。

それで時間が余った分、街の人と話したりして。



もうちょっと、キズの治りが悪かったらな、なんて思ってしまうんだ。







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