HIGH&IOW〜俺が守るから〜《佐野玲於》

大好きだから ページ12

.




ララ「よかったよ。この程度のキズで。」




そう言いながら、ララちゃんは私の肩にガーゼを貼ってくれた。


傷口は、少し大きいが、縫うほどのものでもなくて。


お礼できた、なんて言って、ララちゃんは満足そうな顔をしている。




A「…ララちゃん。」


ララ「ララでいいよ。」


A「…っ、……ララは、無名街の人だったんだね。」


ララ「…そうだよ。」




ララは静かに救急箱の蓋を閉じた。




ララ「ずっと、お兄ちゃ…スモーキーと一緒。血は繋がってないけどね。」


A「そっか。」


ララ「実は、Aに助けられた時も、仕事の最中だったの。
知らない男の子人に話しかけなくちゃいけなくて、
いざ話しかけてみたら、あんなことになって。」




話の内容に驚きすぎて言葉を失っていると、
別にいかがわしい仕事とかじゃないからね！って慌てて説明を加えられる。




ララ「私、無名街のみんなの事が大好きだから、何かしてあげたいの。」


A「…そっか。」





話しているうちに、辺りは暗くなってきていて。

帰ると伝えると、無名街の入口までララに案内された。




ララ「会えてよかった。」


A「私も。…じゃあ、またね。」




ララに挨拶をして、無名街をあとにする。

空を見上げると、一番星が輝いていて。



私はララのことを思い出しながら、目を細めた。





.

カーキ色→←まさかの登場

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す