白濱くんが呼び捨てをしない理由。[Alan.S]

ミホ ページ8

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Aside





｢そういえばミホ、彼氏とはどうなったの？｣





ミホと呼ばれた彼女。





……冬馬の新しい彼女を見たのは1度だけ。



もしかしたら、人違いかもしれない。





そんな考えが浮かぶけど
考え直そうとする意思に反するように、彼女たちの話を聞き取る耳は冴え渡っていく。



えー？なんて惚けるような反応をする彼女の声は、どこか弾んでいるようで。





｢…えっと、トウマくん、だったっけ？｣



｢そうそう！瀬田高校の！｣



ミホ｢えへへ、そうだよ。｣





………瀬田高校。



…私が通ってる高校だ。





｢バスケ部なんでしょ？あそこって結構強かったよね。いいな！スポーツ万能！｣



ミホ｢大袈裟だなぁ。笑 あ、そうだ。来週の日曜、うちの高校に練習試合に来るらしいよ。一緒に見に行かない？｣





どんどん入ってきてしまう、彼女たちの会話。




……間違いない。


この子が冬馬の新しい彼女だ。




…うちのバスケ部に、トウマっていう名前の選手はひとりしかいないんだから。



それに来週の日曜、練習試合の予定だって入ってる。






……今カノと元カノ。



相手はそんなこと分かってすらないのに、
勝手に気まずくなって。





そんな中、次にミホさんの声で聞こえてきた話は。





ミホ｢…明日で半年なの。｣



A｢……っ！｣





…思わず声が出てしまいそうで、慌てて唇を結んだ。




だって、明日で半年って……



私が振られたの、数週間前だよ？





ミホ｢この前のイブの日にね、ずっとしつこかった彼女がやっと別れてくれたらしくて。｣






────カシャン！





A｢あっ……｣





手のひらから滑ったスマホ。



それを取ろうとする私の手は震えてて。





……自分の中で、何もかもが繋がった感覚があった。






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