白濱くんが呼び捨てをしない理由。[Alan.S]

挙げられた手 ページ43

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Aside





3日後。


その日も男バス、ダンス共に部活はあった。




だけど、そのステージの上には、白濱くんはいなくて。





A｢どうしたんだろ……｣





部活中、私のそんな呟きにマミ先輩が反応する。





マミ｢ん？何のこと？｣



A｢あ、いや………、白濱くんがいないと思って。｣



マミ｢ああ、Aが仲良い男の子か！｣



A｢仲良いって………｣



マミ｢え、仲良くないの？｣



A｢いや、そういうわけじゃないんですけど………数人で勉強会とか、白濱くん家でしたりしましたし。｣



マミ｢やっぱ仲良いんじゃん！｣



A｢なんていうか………｣





マミ先輩の言葉に、私は口ごもってしまった。



確かに、白濱くんとはよく話すとは思う。


でも、私の変な内気の性格上
“仲良い”ってハッキリ言われるのは少し恥ずかしいんだよね。






私たちがそんな会話をしていると、いつの間にか休憩に入ったらしいダンス部の人たち。



マミ先輩とバスケ部のメンバーにスクイズを渡していると、上から先輩らしき人達の会話が聞こえてきた。





｢…え、熱？｣



｢そ。張り切りすぎたかもしれませんって、白濱言ってたよ。｣



｢なんだぁ、そうそうサボりかと思った。｣





………え、白濱くんが熱って………



関わり始めてから、初めてのことだ。





｢結構熱高くて、ずっと寝てるらしい。｣



｢じゃあ、何か買ってお見舞い行った方がいいかもね？｣



｢でも、誰もあいつの家知らなくね？｣



｢ほんとだ……｣





……そっか


入ったばかりだから、誰も白濱くんのことよく知らないんだ。



先輩に白濱くんの事聞かれて、同級生の子達も首を傾げてる。






………すると。





マミ｢はい！この子白濱くんの家知ってるよ！｣



A｢…………、へ？！｣





マミ先輩の声に、一斉にこちらを振り向いたダンス部の人達。



私の右手は、隣にいたマミ先輩によって高々と挙げられていたのだった。





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