外れ ページ45
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Aside
テル「いやぁ、Aちゃんの手が治ってよかった。」
A「ほんとに。」
あれから数日して、私の右手首はいつも通りに。
やっと今日から、仕事に打ち込めるようになった。
その事玲於くんに言えば、
復帰祝いにデザート奢ってやるなんていうから、テルさんの店へ。
少しだけ遅れると連絡があった玲於くんを待ちながら、
テルさんとの会話を弾ませる。
A「ツアー中、暇つぶしに行った神社でおみくじ引いたんですよ。」
テル「おみくじ?」
A「はい。そしたら、大凶で。」
テル「え、大凶?笑」
A「もう、マイナスなことばかり。それがまた当たってるんですよ。足元気をつけろ、とか、恋愛でライバルが…、とか。」
テル「恋愛でライバルねぇ……、それは、大丈夫だったの?」
A「…大丈夫じゃなかったですよ。ある女の子に玲於くんの彼女候補宣言されました。」
テル「彼女候補宣言?笑」
ほんと、玲於くん琴音さんの方に行っちゃうかと思った。
もやもやしたことを思い出して、自然と眉間に皺が寄る。
そんな私を見て、テルさんはクスリと小さな笑い声をこぼして。
テル「それって、琴音っていう女の子?」
A「そうですけど……あ、玲於くんが何か言ってました?」
テル「まあ、少し玲於に話聞いたけど……」
その続きを言おうとしたテルさんは、急に言葉を詰まらせた。
これ言ったら玲於に怒られるかも、なんてぶつぶつ言ってるテルさんを説得して、
続きを聞こうと試みる。
テル「…俺が言ったなんて言わないでよ?」
A「絶対言いません。」
テル「……この前玲於がひとりでうち来た時、“俺が琴音の方行くわけないじゃん。Aの方が断然可愛いのに。”って、愚痴こぼしてたよ。」
A「え……?」
……玲於くん、そんなこと言ってたの?
目を丸くして驚いていると、
愛されてるねって、テルさんはニヤニヤした笑顔を浮かべて。
一気に頬が熱くなって。
……顔、ニヤけそう。
テル「…そのおみくじ、他にはなんて書いてたの?」
A「え?えっと……確か、待ち人は来ないから諦めろ。とかだったかな。」
一瞬、視線を私の背後に移したテルさん。
テル「へぇ……。まあ、それは外れてるんじゃない?」
A「え?」
首を傾げている私に、テルさんはニコって笑って。
その直後、来客を知らせる店のドアのベルが鳴った。
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ど根性オレンジ(プロフ) - ってなって気づいたらもう終わり!?意外と長いようで短かったです。ワクワクとドキドキをありがとうございました!次作も楽しみにしてます! (2019年3月22日 19時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ(プロフ) - ふぁぁぁぁぁ!なんか、もう、こう、最高。(語彙力)らな。さんのこのシリーズ好きすぎました!始まった頃から読み続けてきて、毎回玲於くんと主人公ちゃんの行動にこっちまで一喜一憂して、やっと幸せになったと思ったらまさかのライバル!? (2019年3月22日 19時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - mizuhoさん» mizuhoさん、ありがとうございます(*^^*) 今ストーリーをメモに貯めてるところです。楽しんでもらえるといいな…!(予想と違ってたらごめんなさい(>_<)) (2019年3月20日 21時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - まいさん» 初めまして!(^^) そう言って頂けて、感謝感激です!笑 更新までしばしお待ちください(*^^*) (2019年3月20日 21時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - しをちゃさん» お返事遅れました、(>_<;) 玲於くん、ちゃんと挽回してもらいました。笑 楽しめてもらえたでしょうか...! (2019年3月20日 21時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らな。 | 作成日時:2019年2月13日 23時