好き。…嘘、大好き。〜after story〜[佐野玲於]

夢 ページ14

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玲於side




朝、俺を起こしたのは亜嵐くんからの電話だった。




玲於｢………もしもし。｣


亜嵐『あ、起きた？すっごい寝起きの声だけど。笑』


玲於｢…モーニングコールとかいらないんだけど。｣


亜嵐『うわ、不機嫌。笑 そんなこと言わないでよ。笑 』


玲於｢…事実言っただけ。｣




寝起きで不機嫌な俺のことを
なんだよ〜！って笑う亜嵐くん。



てかもう切っていいかな。

頭痛てぇんだけど。


上半身を起こしてみれば、一気に胸焼けもやってくる。




……二日酔いじゃん、これ。




亜嵐『昨日べろんべろんだったけど、どう？』


玲於｢絶賛二日酔い。｣


亜嵐『だと思った。今日は遅めの出勤でしょ？ちゃんとリハまでに治しておいてよ？』


玲於｢わかってるって……｣




それからそのあとの収録は…って
今日のスケジュールの変更点を話し始めた亜嵐くん。


その話を聞いている間に
頭も徐々に目を覚まし始めて。


そんな時、ふと思ったこと。



……なんか俺、夢見てなかった？




亜嵐『……まあ、収録の変更点はこれくらい。また収録前に話すから。』


玲於｢…うん。｣


亜嵐『返事ちっさ！笑』


玲於｢……あーあ、亜嵐くんが起こさなければずっといい夢見られてたのに。｣


亜嵐『いや、いい加減起きろ。笑 なに、そんなにいい夢だったんだ？』


玲於｢なんか…………、Aが出てきた
。｣


亜嵐『え？Aちゃん？』


玲於｢そ。潰れた俺見ながらため息ついてんの。しょうがないなって。で、帰ろうとするAのことを俺が止めるっていう夢。｣




珍しくはっきり覚えてる夢の内容。


俺がおかえりって言うと、あいつがはにかみながら笑うんだ。



なに亜嵐くんに話してんだって思ってると、
スマホの向こうからクスッと小さな笑い声がして。




亜嵐『……玲於。』


玲於｢ん？｣


亜嵐『たぶんそれ、現実だよ。』




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